公務員から民間企業への転職は難しい？きつい？後悔する人の特徴も解説

安定した仕事として人気の公務員ですが、実際に働いてみると想像とは違う環境に戸惑う方も少なくありません。

「もっとやりがいのある仕事がしたい」「スキルを磨いてキャリアアップしたい」と考え、民間企業への転職を検討する公務員の方は増えています。

しかし、公務員から民間企業への転職は難しいといわれており、不安を感じている方も少なくないでしょう。

そこで本記事では、公務員から民間企業への転職が難しいといわれる理由を詳しく解説します。

転職のメリットやデメリット、転職を成功させるためのコツも詳しく紹介します。

公務員から民間企業への転職は難しい？きつい？

公務員から民間企業への転職は、一般的に難易度が高いといわれています。

特に未経験の職種へチャレンジする場合、民間企業の採用担当者からは「公務員の経験が活かせるのか」と疑問を持たれることもあるでしょう。

ここでは、公務員から民間企業への転職が難しいといわれる3つの理由を見ていきます。

利益を追求した経験がないから

民間企業と公務員では、仕事の目的が根本的に異なります。

民間企業は商品やサービスを提供して売上を得て、利益を追求することが最大の目標です。

一方で公務員は、税金を財源として地域住民のために働く仕事であり、営利を目的としていません。

そのため、公務員は「コスト意識が薄い」「利益を生み出す感覚がない」というイメージを持たれやすく、民間企業の採用担当者から不安視されることがあります。

また、業務の進め方やスピード感も異なるため、公務員経験者が民間企業の環境に適応できるか疑問を持たれることも少なくありません。

活かせるスキルがないと思われるから

公務員の業務は専門性が高く、独自のルールや手続きに沿って進められることが多いです。

そのため、採用担当者からは「公務員で身につけたスキルは、民間では通用しない」と判断されるケースがあるでしょう。

特に即戦力を求める企業の場合、民間企業での実務経験がある応募者と比較されると、どうしても不利になってしまいます。

ただし、公務員としての経験すべてが無駄になるわけではありません。

文書作成能力や調整力、正確な事務処理能力など、民間企業でも活かせるスキルは多くあります。

転職を決意したら自分の強みを整理して、面接でしっかりアピールできれば、内定獲得の可能性は高まるでしょう。

成果をアピールしにくいから

民間企業の選考では、これまでの実績や成果を具体的に示すことが求められます。

民間企業から民間企業への転職であれば「売上○○%アップを達成」「新規プロジェクトを成功に導いた」といった分かりやすい成果を伝えられるでしょう。

しかし公務員の場合、数値で表せる成果が少なく、業務内容も外部に公開しにくい性質があります。

そのため、面接や職務経歴書で自分の実績をアピールする際に、何を伝えれば良いのか迷ってしまう方も少なくありません。

「住民からの問い合わせ対応を効率化し待ち時間を短縮した」「部署内の業務フローを見直して作業時間を削減した」など、具体的な行動と結果を示せば、採用担当者にも伝わりやすくなります。

公務員から民間企業へ転職するメリット

ここでは、公務員から民間企業に転職する主なメリットを3つ紹介します。

年収UPする可能性がある

民間企業では、実力や成果に応じて評価される企業が多く、頑張り次第で大幅な年収アップが期待できます。

公務員は年功序列の給与体系が基本となっているため、どれだけ優秀でも給与の伸びには限界があります。

一方、民間企業では営業成績や業績への貢献度が評価されやすく、短期間で収入を増やすことも可能です。

特にインセンティブ制度がある企業や成果主義を採用している企業では、業務の成果がダイレクトに給与に反映されます。

働き方が改善する

公務員は安定しているイメージがある一方で、部署によっては長時間労働や休日出勤が常態化していることもあります。

一方で民間企業では働き方改革が進んでおり、フレックスタイム制度やリモートワークを導入している企業で働けることは転職するメリットです。

自分のライフスタイルに合わせて働ける環境を選べば、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなるでしょう。

スキルアップ・キャリアアップできる

民間企業に転職するメリットには、実力次第で若いうちからキャリアアップのチャンスをつかめることも挙げられます。

公務員は年功序列で昇進するケースが多く、どれだけ成果を出してもキャリアアップには時間がかかります。

一方、民間企業では成果を出せば早期に管理職に就いたり、重要なプロジェクトを任されたりすることもあるでしょう。

また、専門的なスキルを磨ける環境を整えている企業も多く、自分の市場価値を高めやすいです。

公務員から民間企業へ転職するデメリット

公務員から民間企業への転職にはメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。

ここでは、公務員から民間企業へ転職する際に知っておきたい2つのデメリットを紹介します。

ノルマに追われる可能性がある

民間企業では成果やノルマの達成を求められることが多く、特に営業職では月単位や四半期単位で売上目標が設定されます。

目標未達は評価に影響しやすいため、数値目標を追う経験がない公務員から転職した人はプレッシャーを強く感じることがあるでしょう。

また、成果主義の企業では結果を出さなければ昇給や昇進が難しいため、競争が苦手な人やプレッシャーに弱い人にはストレスとなる可能性が高いです。

倒産リスクがある

公務員と民間企業の最も大きな違いは、雇用の安定性です。

一方、民間企業は業績が悪化すれば、給与カットやリストラ、最悪の場合は倒産というリスクもあります。

特に中小企業やベンチャー企業では、経営が不安定になりやすく、数年後の将来が見えにくいこともあるでしょう。

また、退職金制度がない企業やボーナスが業績によって大きく変動する企業も存在します。

公務員時代には毎年安定してボーナスが支給されていたとしても、民間企業では当たり前ではないことを理解しておく必要があります。

転職先を選ぶ際は、企業の財務状況や業績の推移をチェックして、長く働ける環境かどうか見極めることが大切です。

公務員から民間企業への転職を後悔する人の特徴

公務員から民間企業に転職したものの、後悔してしまう方も残念ながら存在します。

転職後に「やっぱり公務員の方が良かった」と感じないためには、事前に自分の転職理由や希望条件を整理しておくことが重要です。

ここでは、転職を後悔しやすい人に共通する3つの特徴を紹介します。

妥協して転職活動をする

転職活動が長引くと、焦る気持ちから「とりあえずどこでもいいから決めてしまおう」と妥協してしまう方もいます。

しかし、条件を十分に検討せず入社した場合、働き始めてから後悔することも少なくありません。

特に公務員から民間企業への転職では、業務内容や社風、働き方が大きく変わるため、事前のリサーチが大切です。

自分で調べる時間を確保できない方は、転職エージェントを活用すると、企業の内部事情や選考のポイントなどの情報を得られます。

妥協せずに納得できる転職先を見つけるためにも、専門家のサポートを受けながら転職活動を進めてください。

希望条件が多すぎる

企業選びで「年収は今より高く」「残業は少なく」「職場の人間関係も良好」など、理想の条件をすべて満たす職場を探そうとすると、転職活動の難易度は上がります。

転職後に後悔しないためには、自分にとって譲れない条件と妥協できる条件を明確にしておくことが大切です。

「年収アップを最優先にする」「ワークライフバランスを重視する」など、優先順位をつけることで企業選びの軸がはっきりします。

また、転職は一度きりではありません。

一度の転職ですべてを叶えようとせず、キャリアを積みながら理想の働き方に近づいていく考え方も必要です。

人間関係改善・給料を最優先に転職活動する

「職場の人間関係がつらい」「給料が低い」といった理由だけで転職を決めると、入社後に同じ悩みを抱える可能性があります。

人間関係の問題はどの組織にも少なからず存在するからです。

給料についても、民間企業では業績によって変動するケースもあり、最初は公務員より高くても将来的に下がる可能性もあります。

転職を考える際は、ネガティブな理由だけでなく「民間企業で何を実現したいのか」「どんなキャリアを築きたいのか」といった前向きな目標を持つことが重要です。

目的が明確であれば、転職後に困難があっても乗り越えやすくなるでしょう。

公務員から民間企業に転職したい人におすすめ職種

公務員から民間企業へ転職する際、未経験でも挑戦しやすい職種を選ぶことがポイントです。

ここでは、公務員の経験を活かしやすい、またはポテンシャル採用が期待できる5つの職種を紹介します。

学習塾

教員として働いていた方には、学習塾や予備校の講師がおすすめです。

これまでの指導経験や教育に対する知識を直接活かせるため、転職後もスムーズに働けるでしょう。

学習塾は学校現場と比べて、カリキュラムや授業の進め方に柔軟性があることも魅力です。

生徒の成績向上という明確な成果を実感しやすく、やりがいを持って働けます。

教育に対する情熱を持ち続けながら、民間企業ならではのスピード感や成果主義を体験できる働き方といえるでしょう。

営業職

営業職は、未経験者を積極的に採用する企業が多く、公務員からの転職先として人気です。

窓口業務や住民対応で培ったコミュニケーション能力は、営業活動でも十分に活かせます。

営業職には、法人向け営業や個人向け営業、ルート営業など、さまざまな働き方があります。

また、営業職は成果を出せば評価されやすく、インセンティブ制度がある企業では頑張り次第で大幅な収入アップも期待できます。

「人と話すのが好き」「目標を達成する喜びを感じたい」という方には、特におすすめの職種です。

事務職

公務員として身につけた事務処理能力は、民間企業の事務職でも大いに役立ちます。

書類作成やデータ入力、問い合わせ対応など、正確さとスピードが求められる業務は公務員経験者の強みが発揮できる場面です。

事務職には一般事務のほか、経理事務や人事、営業事務などさまざまな種類があります。

特に経理事務では、数字を扱う正確性や緻密さが重視されるため、公務員時代の経験が高く評価されるでしょう。

安定した働き方を維持しながら、民間企業でキャリアを築きたい方に向いている職種といえます。

販売職

窓口業務や市民対応の経験がある方には、販売職もおすすめです。

接客スキルやコミュニケーション能力が求められる職種であり、公務員として培った対人スキルを十分に活かせます。

販売職では、顧客のニーズを的確に把握し、最適な商品やサービスを提案する力が重要です。

また、笑顔や丁寧な対応が評価されやすく、人と接することが好きな方には向いている仕事といえるでしょう。

販売職は、アパレルや家電、不動産など幅広い業界で求人があります。

エンジニア職

IT業界は人手不足が続いており、未経験者でも積極的に採用している企業が多いです。

特に20代や30代前半であれば、ポテンシャル採用の可能性が高く、公務員からの転職でも十分にチャンスがあります。

エンジニア職は、プログラミングスキルを身につければ、将来的に市場価値が高まる職種です。

また、リモートワークやフレックスタイム制度を導入している企業も多く、柔軟な働き方が実現できます。

公務員時代にパソコン業務が得意だった方や新しいスキルを学ぶことに抵抗がない方には、特におすすめの職種といえるでしょう。

エンジニアへの転職を検討している方におすすめの転職エージェントは以下の記事で紹介しましたので、あわせて読み進めてください。

公務員から民間企業への転職を成功させるコツ

公務員から民間企業への転職を成功させるには、戦略的な準備と行動が欠かせません。

採用プロセスや企業が求める人材像が公務員とは大きく異なるため、しっかりと対策を立てておくことが重要です。

一人で転職活動をしない

公務員からの転職は、民間企業での働き方を経験していない方にとって、分からないことだらけです。

書類の書き方や面接の受け答え、企業選びの基準など、公務員試験とは異なるポイントが多くあります。

一人で悩みながら進めるよりも、転職エージェントを活用すると効率的に転職活動を進められるでしょう。

転職エージェントでは、履歴書や職務経歴書の添削、模擬面接や企業研究のサポートなど、幅広いサービスを無料で提供しています。

転職のプロに相談しながら進めることで、成功率を大きく高められるでしょう。

公務員での経験を一度整理しておく

民間企業の選考では、これまでの経験やスキルを具体的に伝えることが求められます。

公務員としての業務を振り返り、どのような仕事に取り組んできたのか、どんな成果を出せたのかを整理しておきましょう。

特に、業務の中で工夫した点や課題を解決したエピソードは、面接で効果的にアピールできる材料となります。

例えば「窓口対応の待ち時間を短縮するために業務フローを見直した」「部署内の情報共有を改善して作業効率を向上させた」といった具体例があれば、積極的に伝えるべきです。

転職先の業界・職種理解を深める

民間企業への転職を成功させるには、志望する業界や職種について深く理解しておくことが大切です。

企業が求める人物像や業界特有の働き方、将来性などをリサーチすることで、面接での受け答えにも説得力が生まれます。

また、企業の公式サイトや口コミサイトを活用して、実際の社風や働く環境を確認しておくことも重要です。

現職が忙しくなかなか時間を作れない方は、転職エージェントを利用すると企業の内部情報や選考のポイントなど、一般には公開されていない情報も入手できます。

転職後後悔しないためにも、幅広く情報を集めて納得のいく転職先を見つけてください。

転職理由をポジティブに伝える

面接では、必ずといっていいほど「なぜ公務員を辞めて民間企業に転職したいのか」と聞かれます。

採用担当者からの質問に対して、ネガティブな理由をそのまま伝えると、面接で良い印象を与えられません。

「仕事にやりがいを感じられなかった」「保守的な雰囲気が合わなかった」といった不満があっても、前向きな表現に言い換えることが重要です。

例えば、「民間企業で成果を出しながら成長したい」「スピード感を持って働ける環境で挑戦したい」といった表現にすれば、前向きな姿勢が伝わります。

ポジティブな転職理由を準備して、面接官に納得してもらえるよう伝えましょう。

人間関係の不満はどの組織にもあることを理解する

「職場の人間関係がつらいから転職したい」という理由で民間企業を目指す方もいますが、人間関係の悩みは公務員に限った問題ではありません。

転職すれば人間関係の問題がすべて解決すると期待した場合、入社後にまた同じ悩みを抱えてしまうかもしれません。

大切なのは、人間関係の問題にどう対処するかを考えておくことです。

コミュニケーションの取り方を工夫したり、適度な距離感を保ったりすることで、ストレスを軽減できる場合もあるでしょう。

転職を決める前に、今の職場で改善できる部分がないか一度見直してみることも大切です。

公務員から転職したい人におすすめの転職エージェント

公務員から民間企業への転職を成功させるには、転職エージェントの活用が効果的です。

ここでは、公務員から民間企業への転職を考えている方におすすめの転職エージェントを3つ紹介します。

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、業界最大級の求人数を誇る転職エージェントです。

幅広い業界や職種の求人を取り扱っており、公務員から未経験の職種へ挑戦したい方にも、多くの選択肢を提供してくれます。

経験豊富なキャリアアドバイザーが、転職活動の進め方から面接対策まで、丁寧にサポートしてくれる点も魅力です。

さらに、非公開求人も豊富に扱っており、一般には公開されていない優良企業の求人に出会えるチャンスもあるでしょう。

転職するかどうか悩んでいる方は、まずはリクルートエージェントに登録して、どのような求人があるか確認してください。

マイナビエージェント

マイナビエージェントは、20代や30代の転職支援に強みを持つ転職エージェントです。

若手の転職に特化しているため、公務員から初めて民間企業へ転職する方にも、きめ細やかなサポートを提供しています。

マイナビエージェントは未経験者歓迎の求人が豊富にあり、営業職や事務職、エンジニア職などさまざまな職種にチャレンジできます。

また、キャリアアドバイザーとの面談では、転職の方向性を一緒に考えてくれるため、自分に合った企業を見つけやすいです。

公務員からのキャリアチェンジを考えている方は、ぜひ登録してみてください。

JACリクルートメント

JACリクルートメント（ジェイエイシーリクルートメント）は、30代以上のミドル層やハイクラス転職に特化した転職エージェントです。

管理職や専門職の求人が豊富で、公務員として培ったスキルや経験を高く評価してくれる企業との出会いが期待できます。

特に外資系企業やグローバル企業への転職を考えている方には、おすすめのサービスです。

公務員としての調整力やマネジメント経験を活かして、より高いポジションを目指したい方には最適な転職エージェントといえるでしょう。

公務員から民間企業に転職したい人によくある質問

公務員から民間企業への転職を考える際、多くの方が共通して抱く疑問があります。

ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

まとめ｜公務員から民間企業への転職は難しい？

公務員から民間企業への転職は、確かに難しい面もありますが、しっかりと準備すれば十分に可能です。

民間企業は公務員とは異なる仕事の進め方や評価基準があるものの、現職で培った事務処理能力や調整力、コミュニケーション能力は、十分に活かせるスキルです。

転職を成功させるには、自分の経験を整理して民間企業でどのように貢献できるかを明確に伝えることが重要です。

また、転職理由をポジティブに説明し、企業研究を徹底すると入社後のミスマッチを防げます。