トヨタ自動車の年収は983万円！業界トップクラスの給与水準や福利厚生を紹介

トヨタ自動車株式会社は、世界有数の自動車メーカーとして知られる企業です。

1937年の創業以来、自動車産業をリードし続け、国内外で高い評価を得ています。

本記事では、トヨタ自動車の平均年収や年代別・役職別の年収、中途採用の難易度について解説します。

本記事の要点はこちら

トヨタ自動車の平均年収は約983万円｜同業他社との比較

有価証券報告書によると、トヨタ自動車の平均年収は約983万円です。

この金額は、自動車業界においてトップクラスの水準といえるでしょう。

トヨタ自動車と他社の年収を比較

トヨタ自動車の年収を、同業他社と比較してみましょう。

企業名	平均年収	平均年齢	平均勤続年数	データソース
トヨタ自動車	約983万円	40.7歳	15.6年	有価証券報告書
本田技研工業	約896万円	44.5歳	21.3年	有価証券報告書
日産自動車	約856万円	41.0歳	14.7年	有価証券報告書
マツダ	約715万円	42.5歳	17.4年	有価証券報告書
SUBARU	約731万円	39.8歳	15.9年	有価証券報告書

上記の表から、トヨタ自動車の平均年収は同業他社と比較して高い水準にあることが分かります。

また、平均年齢が40.7歳と比較的若いにもかかわらず、これだけの高水準を維持している点も注目に値するでしょう。

世界的な自動車メーカーとしての収益力の高さが、従業員の待遇にも反映されています。

特に現場の技能員の給与に関しては他社に対して圧倒的ではないかと感じる。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜技術、在籍5～10年、現職、中途入社、男性

トヨタ自動車における給与体系｜年代別・役職別の年収は？

トヨタ自動車の給与体系が月給制と基本としており、年2回のボーナスが支払われます。

年齢や役職によって年収がどのように変化するのか、また残業代や各種手当の内容も解説します。

キャリアプランを考える上で、重要な情報となるでしょう。

役職別の年収

トヨタ自動車の役職別年収について、OpenWorkのデータをもとに見ていきましょう。

役職	年収目安
担当事技職（1〜3年目）	500〜650万円
指導職（4〜7年目）	700〜800万円
主任職（8年目以降）	900〜1,200万円
主幹職（最速14年目以降）	1,300〜1,500万円
主査職	1,700万円以上

入社当初は500万円台からスタートしますが、指導職への昇格で年収は700万円台に達します。

主任職になると900万円を超え、裁量労働制を選択すれば1,000万円超も十分に可能ですよ。

主幹職以上は会社側の管理職として位置づけられ、基本給が70万円以上となり、賞与額も大きく増加します。

主査職に到達できる社員は同期の1割程度と狭き門ですが、年収1,700万円以上という高水準が期待できるでしょう。

主任前までは基本給＋ボーナスでそこまで旨みは大きくない印象。主任になると裁量労働制が選べ、17万円ほどのみなし残業代がつくため、一気に年収は上がる。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜アフターサービス、在籍5～10年、現職、新卒入社、男性

年代別の年収

トヨタ自動車の年代別年収について、詳しく見ていきましょう。

年齢	平均年収	年収レンジ	月給目安
25歳	495万円	362〜677万円	30万円
30歳	708万円	518〜969万円	42万円
35歳	901万円	659〜1,233万円	53万円
40歳	1,052万円	769〜1,439万円	62万円
45歳	1,159万円	847〜1,585万円	68万円
50歳	1,245万円	911〜1,704万円	73万円
55歳	1,348万円	986〜1,844万円	79万円

上記の表から、トヨタ自動車では年齢とともに着実に年収が上昇していることが分かります。

30歳で700万円を超え、40歳では1,000万円の大台に到達します。

55歳では1,300万円を超える水準となり、長期的なキャリア形成において非常に魅力的な給与体系です。

年次昇給、ボーナスが査定により差がつくが20代後半まではあまり大きな差にならない。30歳前後で主任に昇格すると大きく年収が増加。ここから昇格速度に差がつく。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜技術職、主任、在籍10～15年、現職、新卒入社、男性

残業代

組合員（主任職未満）の場合、残業代は全額支給ます。

主任職以上になると、裁量労働制を選択できるようになります。

裁量労働制を選択した場合、実際の残業時間にかかわらず月17万円程度のみなし残業代が支給される仕組みです。

年間残業360時間相当に設定されており、効率的に働けば実質的な時給を上げられるでしょう。

主幹職以上の管理職になると、みなし残業制となり基本給に含まれる形となります。

主任になると裁量労働制が選べ、17万円ほどのみなし残業代がつくため、一気に年収は上がる。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜アフターサービス、在籍5～10年、現職、新卒入社、男性

賞与（ボーナス）

トヨタ自動車の賞与は年2回、7月と12月に支給され、会社の業績に大きく連動しています。

担当事技職（1〜3年目）の場合、1年目の夏は寸志程度ですが、冬には4ヶ月分程度が支給されます。

指導職以上になると満額支給となり、より高額の賞与を受け取れるようになるでしょう。

主幹職以上は会社業績との連動性がさらに高まり、業績好調時にはより大きなボーナスが期待できます。

賞与は7月と12月の2回。業績によるがここ数年は2回合計で6〜7ヶ月相当の額がもらえている。年収は上がる。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜技術職、主幹、在籍20年以上、現職、新卒入社、男性

各種手当

トヨタ自動車では、充実した各種手当が用意されています。

特に注目すべきは家賃補助で、主任職以上になると月5万円程度（豊田市）から12.5万円程度（東京都内）の補助が受けられます。

実質的な手取り額は大きく増えるでしょう。

カフェテリアプランでは、育児・介護・自己啓発・余暇活動など幅広い用途で利用できるポイントが付与されます。

従業員のライフスタイルに合わせた柔軟な福利厚生の活用が可能です。

男女の年収差

トヨタ自動車では、男女間の賃金差は以下のとおりです。

労働者の種類	男女の賃金の差異
全労働者	66.2％
正社員	65.9％
パート・有期契約社員等	58.7％

女性労働者の平均賃金が男性の約6～7割に相当することを示しています。

トヨタ自動車では同一職務・評価に基づく公平な給与制度を採用しており、同じ職位での男女差は小さいでしょう。

しかし、管理職に占める女性比率が4.0％と低いことが平均賃金差の一因といえます。

今後は女性登用の拡大やキャリア支援を通じて、男女間の賃金格差の縮小が期待されます。

トヨタ自動車の働き方｜残業時間・離職率・福利厚生は？

トヨタ自動車では、「モノづくりは人づくり」という理念のもと、従業員が長期的に活躍できる働きやすい環境づくりに注力しています。

残業時間は業界平均と比較して抑えられており、年休取得率も高水準を維持。

育児休職制度の充実や在宅勤務の推進など、ライフステージに応じた柔軟な働き方が可能です。

ここでは、トヨタ自動車の残業時間や離職率、福利厚生の実態について詳しく見ていきましょう。

残業時間

トヨタ自動車の平均月残業時間は21.8時間です（2023年度）。

自動車メーカーとしては比較的抑えられた水準といえるでしょう。

近年では働き方改革の一環として、業務の効率化や在宅勤務の推進に力を入れています。

在宅勤務率は約50%に達しており、柔軟な働き方が実現可能です。

部署や職種によって残業時間には差がありますが、全社的に労働時間の適正化に取り組んでいます。

また、年休取得率は87.8%と高く、休暇を取りやすい環境が整備されていますよ。

トヨタ自動車では、従業員が健康的に長く働ける職場づくりを目指しているといえるでしょう。

属する部署や工場によって当たりやハズレと言われる部署もあり、有休の取りやすさ残業の長さは部署によって異なります。

引用：Openwork｜退職検討理由｜生産技術職、在籍3～5年、現職、新卒入社、男性

離職率・平均勤続年数

トヨタ自動車の離職率は0.9%と非常に低い水準です（2023年度、自己都合退職）。

この数値は、従業員が長期的に安心して働ける環境が整っていることを示しています。

平均勤続年数は15.6年に達しており、業界内でも高い定着率を誇ります。

入社3年後の定着率も、新卒で98.0%、新卒とキャリア入社を合わせて97.7%と極めて高水準です。

また、従業員の82.3%が「自分の成長を実感できている」と回答しており、やりがいを感じながら働けることも定着率の高さにつながっているでしょう。

福利厚生

トヨタ自動車は、従業員のライフステージに応じた充実した福利厚生制度を整備しています。

福利厚生制度	内容
育児・介護支援	事業所内託児施設 介護セミナー
住宅支援	寮・社宅 持家補助制度 転居に伴う引っ越し費用の補助
健康支援	健診・レディース健診 スポーツセンター利用サービス
リフレッシュ	保養所利用サービス マッサージルーム利用サービス
資産形成	社内積立制度 従業員持株会制度 退職金 DC年金（確定拠出年金） ライフプランセミナー トヨタマイホーム融資 など
自動車関連	新車購入補助制度 トヨタ団体自動車保険
その他	選択型福利厚生制度 会社バス運行 結婚祝い金 通勤費補助

特に育児支援制度が手厚く、女性の育児休職平均取得期間は15.2カ月、男性は2.0カ月となっています。

男性の育児休職取得率は61.5%に達しており、育児と仕事の両立をしやすい環境です。

育児休職後の復職率は99.8%と極めて高く、制度を利用しやすい職場文化が根付いていますよ。

事業所内には託児所も設置されており、入社間もない時期に育休を取得した社員も柔軟に復帰できる体制が整っています。

また、カムバック制度（再入社制度）もあり、一度退職した社員が再びトヨタ自動車で活躍するチャンスも用意されています。

キャリアパス

トヨタ自動車では、「モノづくりは人づくり」という考えのもと、社員一人ひとりの成長を重視しています。

入社後は、先輩社員が指導役となる「職場先輩制度」により、実務を通じて安心してスキルを磨くことができます。

また、年1回の「自己申告制度」で希望職種やキャリアビジョンを上司と共有し、職種変更やジョブローテーションにも挑戦可能です。

海外出向や他部門での研修など、多様な経験を積める制度も整備しています。

自らの意志でキャリアを切り拓きたい人にとって、挑戦と成長の機会に恵まれた環境です。

キャリアについては自分で自分の舵を取る人であれば間違いなく良い環境だと感じます。自分が進もうと考えた方向に対しての環境整備や、応援する制度などは一辺倒揃っている認識ですし、仮に無くても声をあげれば自然と作られていく環境だなと感じます。

引用：Openwork｜働きがい・成長｜生産技術、在籍3年未満、現職、新卒入社、男性

トヨタ自動車はどんな会社？｜年収が高い理由・今後の展望も解説

トヨタ自動車は、1937年に設立された日本を代表する自動車メーカーです。

創業以来、「モノづくりは人づくり」という理念のもと、世界中で自動車の製造・販売を展開しています。

グローバルに69の製造拠点、22の研究開発拠点を持ち、年間900万台以上の生産規模を誇ります。

ここでは、トヨタ自動車の事業内容や年収が高い理由、今後の展望について詳しく見ていきましょう。

主な事業・サービス内容

項目	内容
社名	トヨタ自動車株式会社
本社所在地	愛知県豊田市トヨタ町1番地
従業員数	71,515人（連結：383,853人）
設立	1937年
資本金	6,354億円
代表取締役社長	佐藤恒治

トヨタ自動車の主力事業は、自動車の開発・製造・販売です。

地域ごとに現地生産を重視しており、海外で販売されたクルマの約半数は現地工場で製造されています。

それぞれの国の風土や環境、お客様の好みにあった車を届けることを大切にしているのです。

また、研究開発にも積極的に投資しており、22の研究開発拠点を世界各地に配置。

特許出願公開件数では自動車メーカーとして第1位を獲得し、約9万件のグローバル特許を保有しています。

モビリティ社会の実現に向けて、約550万人の仲間と共に挑戦を続けています。

年収が高い理由

トヨタ自動車の年収が高い理由には、圧倒的な事業規模と収益力が挙げられます。

世界各地に製造・販売拠点を展開し、年間900万台以上の生産規模を誇る業界トップクラスの企業です。

グローバルでの安定した収益基盤が、従業員への適正な報酬を支えています。

次に、技術革新への積極的な投資も年収水準を支える要因です。

特許出願公開件数で第1位を獲得し、約9万件のグローバル特許を保有していることから、高い技術力と研究開発力を持つことがわかります。

このような付加価値の高い事業展開が、従業員の処遇向上につながっているのです。

また、創業以来大切にしてきた人材育成への投資も見逃せません。

今後の展望

トヨタ自動車は、未来のモビリティ社会の実現に向けて大きく舵を切っています。

特にCASE（コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化）とカーボンニュートラル関連の技術開発に注力しており、関連特許の比率は2023年には75%に達しました。

2022年の51%から大幅に増加しており、次世代技術への本格的なシフトが進んでいますよ。

また、車両電動化技術の特許実施権を無償で提供するなど、社会全体の発展を重視する姿勢も特徴的です。

自社の利益だけでなく、業界全体の技術革新を促進することで、持続可能なモビリティ社会の実現を目指しています。

まとめ

トヨタ自動車の平均年収は約983万円と、業界内でも高水準です。

年功序列の傾向があり、年齢とともに着実に年収が上がる給与体系が特徴といえます。

働き方については、平均月残業時間が21.8時間と比較的抑えられており、年休取得率も87.8%と高水準です。

在宅勤務率は約50%に達し、柔軟な働き方が可能です。

トヨタ自動車は、1937年の設立以来「モノづくりは人づくり」という理念を大切にしてきました。

グローバルに約550万人の仲間と共に、未来のモビリティ社会の実現に向けて挑戦を続けています。

特にCASEやカーボンニュートラル関連の技術開発に注力しており、関連特許の比率は75%に達しました。

キャリア採用比率も49%と高く、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍する組織へと進化しています。