東急株式会社は、鉄道事業、都市開発事業をはじめとする多角的な事業展開で知られる企業です。

「鉄道事業を基盤とした街づくり」を手掛ける東急グループの中核企業として、多様な事業を展開しています。

本記事では、東急株式会社の平均年収や年代別・役職別の年収、中途採用の難易度について解説します。

本記事の要点はこちら

東急の平均年収は883万円

有価証券報告書によると、東急株式会社の平均年収は約883万円でした。

国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」では、全国の平均年収は460万円でした。

そのため、東急の平均年収は全国よりも2倍近く高水準であることがわかります。

東急と他社の年収を比較

企業名	平均年収	引用元
東急	約883万円	有価証券報告書
小田急電鉄	約800万円	有価証券報告書
京王電鉄	約760万円	有価証券報告書
西武ホールディングス	約891万円	有価証券報告書

東急と同業他社の年収水準を比較することで、業界内での位置づけを確認してみましょう。

鉄道・不動産業界における東急の年収水準は、業界全体の中でも高水準に位置しているといえます。

東急における給与体系｜年代別・役職別の年収は？

東急株式会社の給与体系について、年代別・役職別の詳細な年収構造を見ていきましょう。

OpenWorkの口コミ情報によると、東急では年功序列の文化があるとのことです。

また、業績によっては特別ボーナスがあるとの意見もありました。

給与制度：
給与改定に伴い、鉄道の中でかなり上位に秀でているように思われる。デベロッパーの水準に達するところまで、賃金が上がってきているため、給与関連で退職していた人は今後減ると思われるが、今後他の企業の動きは気になる。ただし、最高益を近年達成しているため、特別ボーナスが入ることがあり、非常にありがたい。

評価制度：
仕事の成果に応じて、評価が変わるが、年功序列の文化は避けられない。また新人が配属される部署は毎年新人が配属されているため、強制的に年功序列のように上がっていく。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜総合職、在籍3年未満、男性

役職別の年収

役職	年収イメージ	年次イメージ
一般クラス	400～600万円	1～5年目
主事	650～800万円	6～9年目
主査	900～1,300万円	10年目以降
部長クラス	1,300万円～	25年目以降

東急における役職別の年収について、OpenWorkの口コミ情報から詳細を確認してみましょう。

主査クラスになると、年収1,000万円に到達する見込みです。

6〜7年目から主事(650万〜800万)
残業次第で800万を超える場合もありそう。
育英手当として子供1人当たり23,000円/月がある。
10年目目安で主査(900〜)となり年俸制。
主査になるための試験がどうやら難しいらしい。
残業代や育英手当が出なくなる。平均レベルの評価を受け続ければ毎年約50万ずつ年収が上がっていく

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜開発、在籍3～5年、男性

給与制度：
入社9年目に主査（管理職）への昇格試験あり。新卒入社であれば、1回目から3回目くらいのチャレンジで昇格しているケースが多い。管理職になると企画裁量型労働となり、基本給と会社の業績連動報酬の賞与のみ（残業代は無し）となるが、昇格したてで年収が900万程度。基本給は毎年の考課により、地道にあがっていく。主査の1階級上の役職は部長だが、部長への昇格は最速でも新卒入社25年目くらいのため、社内は主査のわりあいが非常に多い。

評価制度：
毎年の考課は7段階評価であるが、大体が上から2番目か3番目の評価がつくケースが多く、担当の成果によって大きな差はでない。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜不動産、在籍10～15年、男性

年代別の年収

年齢	平均年収	年収レンジ
25歳	447万円	350万円～570万円
30歳	605万円	474万円～772万円
35歳	709万円	555万円～905万円
40歳	811万円	636万円～1036万円
45歳	957万円	749万円～1221万円
50歳	1140万円	893万円～1455万円

東急の年代別年収データを再度詳しく見ると、年齢に応じた着実なキャリアアップが期待できる給与体系が整備されています。

20代後半から30代前半にかけては年収が大幅に上昇し、40代以降では800万円を超える高水準の年収が実現されているのが特徴です。

特に50代では1000万円を超える年収となっており、長期的な勤務により確実な年収向上が見込める環境といえるでしょう。

年収レンジの幅も広く、個人の能力や成果に応じて同年代でも大きな年収差が生じる可能性があるようです。

勤続年数が非常に大事。社歴の長い社員であれば非役職者であっても、中途入社の役職者とほぼ同じ給与を得ている。給与水準は鉄道業界にしては高めだが、不動産業界にしては低い。労働組合も人数の多い鉄道関係者が多数を占めるため、不動産業界の水準に合わせていこうという動きはないように見える。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜総合職、在籍3～5年、男性

残業代

東急における残業代の支給状況について、口コミ情報から確認してみましょう。

給与制度に関する口コミによると、残業代は適正に支給されており、労働時間の管理も比較的しっかりと行われているとのことです。

全体的には、労働基準法に従った適正な残業代の支給が行われており、働いた分に応じた対価がきちんと支払われる環境が整っているといえます。

残業代などは必ず出る。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜建築、在籍5～10年、女性

賞与（ボーナス）

東急における賞与制度について、口コミ情報から詳細を確認してみましょう。

賞与は年2回の支給が基本となっており、会社の業績と個人の評価に連動した仕組みが採用されているとのことです。

特に不動産事業などの収益性の高い部門では、業績に応じて追加的なインセンティブが支給される場合もあるようです。

安定した事業基盤を持つ東急では、継続的に一定水準以上の賞与支給が期待でき、年収に占める賞与の割合も相応に高い水準となっているといえるでしょう。

在籍時にはなりますが25歳時点で
基本給22万程、賞与60万程 残業代4万(20時間)
年収430万 手取りだと335万です。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜電気部、在籍5～10年、男性

賞与について、エキスパート職は5.5ヶ月分を総合職については4ヶ月分を夏冬の2回に分けて貰うことができる。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜技術系、在籍3～5年、男性

男女の年収差

東急における男女の年収差について、口コミ情報から状況を確認してみましょう。

近年は女性の活躍推進に積極的に取り組んでおり、性別による不当な待遇差の解消に努めているとのことです。

同じ職種・同じ経験年数であれば、男女間での基本給に大きな差はないという声が多く見られます。

ただし、管理職への登用については、まだ男性の比率が高い傾向にあり、結果として平均年収に一定の差が生じている可能性があるといえるでしょう。

非常に働きやすい職場である思う。産休育休後に発揮する社員も非常に多く、理解のある上司も多く、昇進なども遅れることはない。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜技術系、在籍3～5年、男性

生理休暇や子の看護休暇などあり　休みやすくはなってますが、特に現場の子持ちの女性には厳しいかと思います。現場の考え、本社の考えにズレあるように感じる。やはり育児しながら働いてる方みると　厳しいとの声が聞こえます。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜現業、在籍20年以上、女性

東急の働き方｜残業時間・離職率・福利厚生は？

東急株式会社の働き方について、残業時間や福利厚生などの労働環境を詳しく見ていきましょう。

OpenWorkによると、東急では働き方改革に積極的に取り組んでおり、従業員の労働環境改善に努めているとのことです。

残業時間

項目	時間
残業時間（月間）	25.9時間
有給休暇消化率	61.1%

東急の残業時間は月間25.9時間となっており、これは業界水準と比較して標準的な範囲内といえます。

有給休暇消化率は61.1%となっており、従業員が適切に休暇を取得できる環境が整っているようです。

口コミによると、部署や時期によって業務量に差はあるものの、全体的には働きやすい環境が維持されているとのことです。

離職率・平均勤続年数

東急における離職率や平均勤続年数について、安定性の観点から確認してみましょう。

東急は歴史ある企業として、従業員の定着率が高く、長期的なキャリア形成が可能な環境を提供しているとのことです。

口コミ情報によると、福利厚生の充実や安定した事業基盤により、多くの従業員が長期間にわたって勤務を続けているようです。

特に鉄道事業や不動産事業という安定性の高い事業を基盤としているため、雇用の安定性も高く、長期的なキャリア構築に適した環境といえるでしょう。

有価証券報告書では、平均勤続年数「13.9年」と公表しています。

国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」では平均勤続年数は「12.7 年」だったため、東急は平均よりも長く務める方が多いと判断できます。

福利厚生

福利厚生項目	内容
社会保険	健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険
住宅関連	住宅手当、社宅制度
交通関連	東急線乗車券支給
休暇制度	年次有給休暇、特別休暇
その他	退職金制度、財形貯蓄

東急では鉄道会社ならではの充実した福利厚生制度が整備されています。

特に東急線の乗車券支給は、通勤や日常生活において大きなメリットとなっており、従業員からも高く評価されているとのことです。

また、住宅関連の支援制度も充実しており、社宅制度や住宅手当により、従業員の生活基盤をしっかりとサポートしています。

キャリアパス

東急におけるキャリアパスについて、従業員の成長機会を確認してみましょう。

東急では、鉄道事業から不動産開発、商業施設運営まで多様な事業領域を持っているため、幅広いキャリア選択肢が用意されています。

入社後は総合職として様々な部署を経験し、専門性を身に付けながらキャリアアップを図ることができるとのことです。

また、グループ企業への出向や転籍の機会もあり、より専門的な分野でのキャリア形成も可能で、多様な成長パスが確保されているといえるでしょう。

東急はどんな会社？｜年収が高い理由・今後の展望も解説

東急株式会社の事業内容や特徴について、年収水準の背景にある要因とともに詳しく見ていきましょう。

東急は鉄道事業を基盤とした総合的な街づくり事業で、安定した収益基盤と成長性を両立している企業です。

主な事業・サービス内容

項目	内容
会社名	東急株式会社
英文名	TOKYU CORPORATION
設立	1922年9月2日
資本金	1,217億24百万円
従業員数	1,525名
事業内容	不動産賃貸業、不動産販売業、その他事業

東急株式会社は、1922年に設立された歴史ある企業で、鉄道事業を基盤とした総合的な街づくり事業を展開しています。

現在は持株会社として、グループ全体の戦略策定と経営管理を担っており、不動産賃貸業、不動産販売業を中心とした事業を行っています。

東急グループとしては、鉄道事業、不動産事業、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業など、多角的な事業展開により安定した収益基盤を構築しています。

特に渋谷を中心とした都市開発プロジェクトでは、時代のニーズに応じた革新的な街づくりを推進しており、業界をリードする存在です。

年収が高い理由

東急の年収水準が高い理由について、事業特性と経営基盤の観点から分析してみましょう。

まず、鉄道事業という安定した収益基盤を持っていることが大きな要因として挙げられます。

また、不動産事業においても、東京圏という立地の優位性を活かした開発事業により、高い収益性を確保しているとのことです。

さらに、長期的な視点での街づくり事業により、継続的な成長と安定した収益を両立しており、これが高水準の給与体系を支える基盤となっているといえます。

今後の展望

東急の今後の展望について、成長戦略と将来性を確認してみましょう。

東急では、渋谷を中心とした大規模再開発プロジェクトを推進しており、これにより更なる企業価値向上が期待されています。

また、デジタル技術を活用したスマートシティ構想や、サステナブルな街づくりへの取り組みなど、時代のニーズに対応した新たな価値創造にも注力しているとのことです。

これらの戦略的取り組みにより、東急は今後も持続的な成長を続け、従業員にとっても魅力的な職場環境を提供し続けることが期待されます。

まとめ

東急株式会社の年収について詳しく見てきましたが、平均年収883万円という水準は業界内でも競争力のある条件といえます。

年代別の年収推移を見ると、25歳の447万円から50歳の1140万円まで、年齢とともに着実な年収向上が期待できる給与体系が整備されています。

特に40代以降では800万円を超える高水準の年収が実現されており、長期的なキャリア形成により確実な収入アップが見込める環境です。

働き方の面でも、月間残業時間25.9時間、有給休暇消化率61.1%と適正な労働環境が維持されており、ワークライフバランスを重視する方にも適した職場といえるでしょう。

福利厚生については、鉄道会社ならではの東急線乗車券支給をはじめ、住宅関連支援や退職金制度など充実した内容となっており、従業員の生活基盤をしっかりとサポートしています。

東急は1922年設立の歴史ある企業として、鉄道事業を基盤とした安定した収益基盤を持ちながら、渋谷再開発などの革新的な街づくり事業にも積極的に取り組んでいます。

このような事業特性により高い収益性を確保しており、それが従業員への魅力的な給与水準として還元されているのが東急の大きな特徴です。

今後もデジタル技術を活用したスマートシティ構想やサステナブルな街づくりなど、時代のニーズに対応した新たな価値創造が期待されています。