商工組合中央金庫は、中小企業や協同組合の金融の円滑化を図る政策金融機関です。
1936年の設立以来、全国に103の店舗を展開し、中小企業の金融支援において重要な役割を担っています。
本記事では、商工組合中央金庫の年代別・役職別の年収や、中途採用の難易度についても解説します。
商工組合中央金庫への転職・就職を考えている方は、ぜひ本記事を参考に情報を集めてくださいね。
本記事の要点はこちら
商工組合中央金庫の平均年収は?
商工組合中央金庫の平均年収は約820万円です(2024年度有価証券報告書より)。
平均年齢38.6歳、平均勤続年数15.0年となっています。
商工組合中央金庫の年代別年収は?
年代 | 平均年収 |
---|---|
25歳 | 476万円 |
30歳 | 671万円 |
40歳 | 1,016万円 |
年功序列の傾向があり、年齢とともに着実に年収が上がる給与体系です。
商工組合中央金庫の中途採用率は?
現在約130名のキャリア採用者が在籍し、毎年約30名が中途入社しています。
入社3年後の定着率は90%以上と、働きやすい環境が整っています。
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商工組合中央金庫の平均年収は820万円|同業他社との比較
商工組合中央金庫の平均年収について詳しく見ていきましょう。
有価証券報告書によると、商工組合中央金庫の平均年間給与は820万円となっています。
項目 | 数値 |
---|---|
平均年収 | 8,198千円 |
平均年齢 | 38.6歳 |
平均勤続年数 | 15.0年 |
平均勤続年数が15.0年と長いことからも、職員の定着率の高さがうかがえるでしょう。
商工組合中央金庫と他社の年収を比較
企業名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | データソース |
---|---|---|---|---|
商工組合中央金庫 | 820万円 | 38.6歳 | 15.0年 | 有価証券報告書 |
三菱UFJ信託銀行 | 798万円 | 40.2歳 | 16.8年 | 有価証券報告書 |
三井住友信託銀行 | 776万円 | 39.5歳 | 15.2年 | 有価証券報告書 |
りそな銀行 | 718万円 | 40.1歳 | 17.3年 | 有価証券報告書 |
日本政策投資銀行 | 1,063万円 | 42.8歳 | 18.5年 | 有価証券報告書 |
同業他社と比較すると、商工組合中央金庫の平均年収は信託銀行系よりも高い水準です。
日本政策投資銀行と比較すると差があるものの、平均年齢が38.6歳と他社より若いことを踏まえると、比較的高い年収水準を維持している様子が伺えます。
年収が高い水準に達している主な理由は、政府系金融機関としての役割や金融規模の違いによるものと考えられます。

中小企業支援という社会的意義のある仕事に携わりながら、しっかりとした待遇を受けられるのは大きなメリットですね。
商工組合中央金庫における給与体系|年代別・役職別の年収は?
商工組合中央金庫では、基本的に年功序列の要素が強い給与体系を採用しており、年齢とともに着実に年収が上昇する仕組みとなっています。
ここでは商工組合中央金庫の給与体系について、年代別と役職別に詳しく解説していきます。
役職別の年収
商工組合中央金庫の役職別平均年収は、OpenWorkのによると以下のようになります。
役職 | 年収目安 | 入社年数 |
---|---|---|
アソシエイト(1年目) | 400万円 | 1年目 |
書記 | 500〜700万円 | 2〜5年目 |
主任 | 700〜900万円 | 6〜7年目 |
調査役 | 900〜1,100万円 | 8〜10年目 |
課長 | 1,100万円〜 | 10年目以降 |
次長 | 1,200万円〜 | 15年目以降 |
支店長 | 1,500万円〜 | 20年目以降 |
入社2年目に営業職に就くタイミングで大幅な昇給があり、その後も定期的な昇格とともに年収が上昇することがわかります。
調査役以上への昇格については、近年は資格取得状況や成果によって昇格時期に差がつくため、実力主義の要素も反映されているでしょう。
1年目は私が入ったときは20万ほどであったが、現在は26万とかなり上がってる。通常であれば2年目で書紀へと昇格し、年収は550万ほど。手当によって差はあるがここら辺はあまり変わらない。それ以上は資格の取得などで人によって昇格時期が異なってくる。
引用:OpenWork
特に課長以上のポジションでは、1,000万円を超える年収が期待できるため、長期的なキャリア形成において魅力です。
年代別の年収
商工組合中央金庫の年代別年収について、詳細なデータを確認してみましょう。
OpenWorkのデータによると、30歳で600万円を超え、40歳で1,000万円を超える水準となっています。
年齢 | 平均年収 | 年収レンジ | 月給目安 |
---|---|---|---|
25歳 | 476万円 | 361〜627万円 | 40万円 |
30歳 | 671万円 | 510〜884万円 | 56万円 |
35歳 | 880万円 | 669〜1,159万円 | 73万円 |
40歳 | 1,016万円 | 772〜1,338万円 | 85万円 |
45歳 | 1,063万円 | 808〜1,400万円 | 89万円 |
50歳 | 1,126万円 | 855〜1,483万円 | 94万円 |
特に30歳から35歳にかけての年収の伸びが顕著で、209万円の増加が見られます。
これは主任から調査役への昇格タイミングと重なっており、キャリアアップに伴う大幅な年収向上が期待できることを示しています。
また、50歳時点で1,100万円を超える水準となっており、長期的なキャリア形成においても魅力的な給与体系といえるでしょう。
残業代
商工組合中央金庫では、課長職未満の職員に対して残業代が支給されます。
OpenWorkによると、月間の残業時間は23.5時間となっており、残業代は月5〜10万円程度が支給されています。
年代 | 基本給(月) | 残業代(月) | 合計月収(推定) |
---|---|---|---|
25歳 | 30万円 | 5万円 | 35万円 |
30歳 | 34万円 | 7万円 | 41万円 |
35歳 | 52万円 | 10万円 | 62万円 |
課長職以上の管理職になると残業代は支給されなくなりますが、基本給が大幅に上昇するため、全体的な年収水準は維持されます。
また、残業時間も業界平均と比較して適正な範囲内に収まっており、ワークライフバランスを保ちながら働ける環境といえるでしょう。
賞与(ボーナス)
商工組合中央金庫の賞与は、年収全体の約25%を占める重要な構成要素となっています。



OpenWorkの口コミによると、賞与は年2回支給され、基本的に4ヶ月分程度が支給されています。
現在は基本給26万、残業4万で毎月30万程度もらっています。またボーナスは年2回で合計100万程度です。
引用:OpenWork
賞与の決定要因は、支店の業績評価と個人の評価の両方が影響しますが、支店の業績による影響が大きいとされています。
近年は人事制度改革により、個人の成果がより反映されやすい仕組みに変更されており、賞与に反映されやすくなっています。
ただし、極端な差はつかず、上下10%程度の変動範囲内での調整となっているため、安定した賞与水準が期待できるでしょう。
各種手当
商工組合中央金庫では、基本給に加えて各種手当が充実しています。
主要な手当として、家賃補助が月5万円程度(年間60万円相当)、昼食補助が月1.2万円(年間24万円相当)が支給されます。
- 家賃補助:月5万円程度(年間60万円相当)
- 昼食補助:月1.2万円(年間24万円相当)
- 地方勤務手当:エリア外勤務時に支給
- 資格取得補助:銀行業務検定等の合格時
福利厚生についても、ディズニーランドやホテルなどを安価で利用できる制度があり、職員の生活をサポートする体制が整っているといえるでしょう。
ただし近年の人事制度改革により、家賃補助の対象年齢が引き下げられており、現在は40歳以降は家賃補助が廃止されている点は押さえておくべきです。
男女の年収差
商工組合中央金庫では、男女間の賃金格差の是正に積極的に取り組んでいます。



有価証券報告書によると、労働者の男女の賃金差異は全労働者で42.0%、正規雇用労働者で49.2%となっています。
2024年4月から導入された新人事制度「NEXT PLAN」では、コース制度を見直し、年齢・性別に関わらずチャレンジ可能な制度を確立しています。
また、女性管理職比率の向上を重要課題として位置づけており、2024年度末時点で女性管理職比率は13.2%となっています。
今後も管理職や採用に占める女性従業員割合を高めていく方針であり、男女格差の縮小に向けた取り組みが継続的に進められていくでしょう。
商工組合中央金庫の働き方|残業時間・離職率・福利厚生は?
商工組合中央金庫での働き方について、残業時間や福利厚生の実態を見ていきましょう。
政策金融機関として安定した経営基盤を持つ商工組合中央金庫では、職員が長期的に安心して働ける環境づくりに力を入れています。
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残業時間
商工組合中央金庫の残業時間は、業界平均と比較して適正な水準に管理されています。
OpenWorkのデータによると、月間残業時間は平均23.5時間となっています。
項目 | 商工組合中央金庫 | 業界平均 |
---|---|---|
月間残業時間 | 23.5時間 | 25-30時間 |
有給休暇消化率 | 67.5% | 50-60% |
残業時間の管理については、部署や担当業務によって差があるものの、全体的には適正な範囲内に収まっています。
また、有給休暇消化率も67.5%と業界平均を上回っており、休暇を取りやすい環境が整備されているといえます。
テレワーク制度なども導入されており、ワークライフバランスを重視した働き方が可能となっているでしょう。
離職率・平均勤続年数
商工組合中央金庫は、職員の定着率が非常に高い企業として知られています。
有価証券報告書によると、平均勤続年数は15.0年となっており、長期雇用を前提とした安定した職場環境であることがわかります。
また、入社3年後の定着率は公式サイトによると、90%以上と非常に高い水準を維持しています。
これは新卒入社者と同様の水準であり、中途入社者も含めて職場環境に満足している証拠といえるでしょう。



高い定着率の背景には、安定した給与体系、充実した福利厚生、そして中小企業支援という社会的意義のある業務内容があると考えられます。
長期的なキャリア形成を考える上で、職員が安心して働き続けられる環境が整っているといえるでしょう。
福利厚生
商工組合中央金庫の福利厚生は、大手銀行を基準として設計されており、非常に充実した内容となっています。
OpenWorkの口コミでも「福利厚生は大手銀行の内容を基準にしている」との評価があります。
福利厚生項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
社宅制度 | 借上社宅あり | 古い物件も多い |
家賃補助 | 月5万円程度 | 40歳まで |
昼食補助 | 月1.2万円 | – |
有給休暇 | 消化率67.5% | 取りやすい環境 |
傷病休職 | 年単位での給与保証 | 非常に手厚い |
福利厚生サービス | ディズニー、ホテル等 | 安価で利用可能 |
特に傷病による休職期間の保証が非常に手厚く、在籍期間に応じて年単位での給与保証が受けられます。
これは家計の柱となる職員にとって重要な安心材料となっており、長期的な人生設計を立てやすい環境といえます。
ただし、近年の制度改革により一部手当の見直しが行われているため、入社時には最新の制度内容を確認することが重要でしょう。
キャリアパス
商工組合中央金庫では、明確なキャリアパスが設定されており、職員の成長段階に応じた役職の昇進が可能です。
2024年4月から導入された新人事制度「NEXT PLAN」により、従来のコース制度を統合し、年齢や性別に関わらずチャレンジできる環境が整備されています。
基本的なキャリアパスとしては、アソシエイト(1年目)→書記(2年目)→主任(5〜7年目)→調査役(8〜10年目)→課長(10年目以降)という流れになっています。
近年は実力主義の要素が強化されており、優秀な人材の早期登用も積極的に行われています。
また、スペシャリスト制度も設けられており、専門性の高さに応じた処遇を受けることも可能です。



中小企業支援という専門性を活かしたキャリア形成ができるため、金融業界でのスペシャリストとしての成長が期待できるでしょう。
商工組合中央金庫はどんな会社?|年収が高い理由・今後の展望も解説
商工組合中央金庫の事業内容や特徴について、詳しく解説していきます。
なぜ高い年収水準を維持できているのか、そして今後の事業展望についても確認していきましょう。
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主な事業・サービス内容
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | 株式会社商工組合中央金庫 |
本社所在地 | 東京都中央区八重洲二丁目10番17号 |
従業員数 | 3,375人 |
設立 | 1936年10月8日 |
資本金 | 2,186億円 |
年間収入 | 1,707億円(2024年度) |
商工組合中央金庫は、中小企業等協同組合とその構成員に対する金融の円滑化を図ることを目的とした政策金融機関です。
主な事業内容は、預金業務、貸出業務、有価証券売買業務・投資業務、為替業務などの銀行業務を中心としています。
全国に本支店93ヵ所、出張所2ヵ所、営業所7ヵ所、海外駐在員事務所4ヵ所の合計106ヵ所を展開し、中小企業の金融ニーズに幅広く対応しています。
また子会社11社を含むグループ体制により、近年はリース業務や情報システム、経済研究、カード業務など、多様な金融サービスを提供しています。
年収が高い理由
商工組合中央金庫の年収が高い理由として、いくつかの要因が挙げられます。
まず、政策金融機関としての安定した経営基盤があります。
政府系金融機関として公的な役割を担っており、中小企業の金融支援という重要な社会的使命を果たしているため、安定した事業運営が可能となっています。
また、給与水準をメガバンクを基準として設定していることも大きな要因です。
OpenWorkの口コミでも「給与はメガバンクを参考にしている」との記載があり、業界トップクラスの水準で給与が設定されています。
給料はメガバンクを基準としているため、それらが上がれば当金庫も上がる。
引用:OpenWork



さらに、中小企業金融の専門性という独自の強みを持っており、この分野における高い専門性が評価されていることも年収の高さにつながっているでしょう。
今後の展望
商工組合中央金庫は、「企業の未来を支えていく。日本を変化につよくする。」というPURPOSEのもと、今後の事業展開を進めています。
2025年6月に改正商工中金法が施行され、業務範囲の拡大が可能となったことで、より幅広いサービス提供が期待されています。
具体的には、サステナブルファイナンスの拡充、デジタル技術を活用した新サービスの開発、M&Aアドバイザリー業務を強化するとのことです。
また、2023年8月に投資専門子会社「商工中金キャピタル株式会社」、2024年11月に人財サービス子会社「株式会社商工中金ヒューマンデザイン」を設立するなど、グループ機能の拡充も図っています。
中小企業の課題が多様化する中で、金融サービスを超えたソリューション提供への転換を目指しており、職員にとってもより幅広いキャリアでの活躍が期待できます。



今後の業務範囲拡大により、さらなる成長が期待できそうです。
まとめ
商工組合中央金庫の平均年収820万円という水準は、政策金融機関として安定した事業基盤を持つ同社ならではの魅力といえるでしょう。
年代別に見ると、30歳で671万円、40歳で1,016万円と順調な年収上昇が期待でき、50歳時点では1,100万円を超える水準となります。
中途採用についても毎年約30名が入社しており、約130名のキャリア採用者が活躍中です。
金融機関未経験者も約31%を占めており、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境が整っています。
働き方の面では、月間残業時間23.5時間、有給休暇消化率67.5%と適正な水準が保たれており、入社3年後の定着率90%以上という高い数値が働きやすさを物語っています。
福利厚生も大手銀行水準で充実しており、特に傷病休職時の給与保証など、職員の生活を支える制度が手厚く用意されています。



今後は改正商工中金法の施行により業務範囲が拡大され、より多様なキャリア機会の創出が期待されます。
運営者情報
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法人番号 | 6011001157541(国税庁) |
有料職業事業厚生労働大臣許可番号 | 13-ユ-316110(人材サービス総合サイト) |
適格請求書事業者登録番号 | T6011001157541(国税庁) |
2025年8月時点