KMPGFASの平均年収は1,234万円！年代別・役職別の給与を徹底調査

KPMGファイナンシャルアドバイザリーサービス（KPMG FAS）は、M&Aアドバイザリーや事業再生、フォレンジック等の財務アドバイザリーサービスに特化した企業です。

世界的な会計ファームKPMGグループの一員として、高度な専門性と豊富な経験を活かしたコンサルティングサービスを提供しています。

本記事では、KPMGファイナンシャルアドバイザリーサービスの平均年収を紹介します。

また、KPMGファイナンシャルアドバイザリーサービスの年代別・役職別の年収や、中途採用の難易度についても解説します。

本記事の要点はこちら

KPMG FASの平均年収は？

KPMG FASの平均年収について、具体的な数値は公開されていませんが、ファイナンシャルアドバイザリー業界の中でも高水準であることが知られています。

転職サイトの求人情報や口コミサイトの情報を総合すると、新卒入社で年収500～600万円程度からスタートし、マネージャークラスで年収1,000万円を超える水準に到達するとのことです。

Openworkの情報では、KPMGFASの平均年収は「1,234万円」と高水準でした。

シニアマネージャー以上になると年収1,500万円を超えるケースも多く、専門性の高いファイナンシャルアドバイザリー業務に見合った高い報酬体系が設けられているといえます。

KPMG FASと他社の年収を比較

企業名	平均年収
KPMG FAS	約1,234万円
PwCアドバイザリー	約1,061万円
EYストラテジー・アンド・コンサルティング	約910万円
DTTCファイナンシャルアドバイザリー	約983万円
マッキンゼー・アンド・カンパニー	約1,318万円
BCG	約1,543万円
ベイン・アンド・カンパニー	約1,305万円

KPMG FASと同業他社の年収水準を比較すると、四大監査法人系のファイナンシャルアドバイザリー部門ではKPMG FASの年収水準は明らかに高い結果となっています。

一方、外資系戦略コンサルティングファーム（マッキンゼー、BCG、ベインなど）と比較すると、若手の年収はやや劣ります。

とはいえ、マネージャー以上では業務内容の専門性を考慮すると競争力のある水準を維持しているようです。

KPMG FASにおける給与体系｜年代別・役職別の年収は？

KPMG FASの給与体系は、ファイナンシャルアドバイザリー業界の特徴を反映した成果重視の報酬制度です。

基本給に加えて業績賞与の割合が高く、個人の成果やチームへの貢献度によって年収に大きな差が生まれる仕組みが採用されています。

基本給＋残業代＋年一回のボーナス（６月末締め９月支給）

引用：Openwork｜年収・給与制度｜CF、在籍3年未満、男性

役職別の年収

KPMG FASの役職別年収は、アナリストからパートナーまで明確な階層構造となっています。

役職（グレード）	年収イメージ	年次イメージ
アナリスト	500～600万円	0～2年
アソシエイト	700～900万円	2～3年
シニアアソシエイト	900～1,200万円	4～6年目
マネージャー	1,200～1,800万円	7～10年目
シニアマネージャー	2,000万円以上	実績による
パートナー	3,000万円以上	実績による

アナリスト（新卒入社）で年収500～600万円、アソシエイト（入社2～3年目）で年収700～900万円程度からスタートするします。

シニアアソシエイト（入社4～6年目）では年収900～1,200万円、マネージャー（入社7～10年目）では年収1,200～1,800万円の水準に到達するケースが少なくありません。

シニアマネージャー以上になると年収2,000万円を超えるケースも多く、パートナーレベルでは年収3,000万円以上も珍しくないといわれています。

ベースサラリーはアソシエイト600万円〜、シニアアソシエイト800万円〜 、 マネージャー1000万円〜、シニアマネージャー1200万円〜、ディレクター1400万円〜。平均2-3年で次のタイトルに昇格し、200万円ずつ昇給する。但し同じタイトルの間は昇給はほとんどなく、最大年間25万円ずつ。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜アソシエイト、在籍3年未満、男性

ここ2-3年の間では、シニア・アソシエイトはトータル1300以上はもらっている。
足もとでは全社業績は良好であるものの部門業績が芳しくないが、全社・部門業績が良く、さらに個人評価も高い時のボトムラインは1500前後になり、その中でも特に優秀なひと握りの社員は2000近くもらっている。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜シニアアソシエイト、在籍3～5年、男性

年代別の年収

KPMG FASの年代別年収は、20代から30代にかけて急激な上昇する方も少なくありません。

20代前半（新卒入社）では年収500～700万円程度ですが、20代後半には年収800～1,200万円程度まで上昇することもあります。

30代前半でマネージャー職に昇進すると年収1,500万円前後に到達し、30代後半から40代にかけてシニアマネージャーやディレクタークラスになると年収2,000万円以上も期待できるようです。

40代以降は個人の専門性や営業力、チームマネジメント能力によって年収に大きな差が生まれ、パートナー昇進を果たした場合は年収3,000万円を超える水準に到達する可能性があります。

Openworkでは、推定年収を下記のとおり発表しているので参考にしてください。

年齢	推定年収	推定範囲
30歳	1,060万円	706万円～1,592万円
35歳	1,262万円	840万円～1,896万円

残業代

KPMG FASでは、アナリストまでは残業代の支給対象となっています。

ただし、ファイナンシャルアドバイザリー業界の特性上、プロジェクトの繁忙期には長時間労働が発生しやすく、残業時間が月80時間を超えるケースも珍しくないとのことです。

アソシエイト、シニアアソシエイト以上の役職では、裁量労働制や管理監督者扱いとなるため、残業代の支給はなくなり、その分基本給や賞与での調整が行われています。

残業代込みの年収で考えると、若手のうちは基本給に加えて月30～50万円程度の残業代が支給されることもあり、総年収を押し上げる重要な要素であることがうかがえます。

アソシエイト、シニアアソシエイトについては、一定時間の残業代が既に含まれたベース給であるが、それを超過した分の残業代は支給されるため、アソシエイトでもトータル1000万円は到達可能

引用：Openwork｜年収・給与制度｜アソシエイト、在籍3年未満、男性

シニアアソシエイトおよびアソシエイトには裁量労働制が適用されるため残業代の支給ない。但し、一定時間以上の深夜残業（22時以降）、休日出勤を行なった場合ついては、別途深夜残業手当および休日出勤手当が支給される。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜シニアアソシエイト、在籍3年未満、男性

賞与（ボーナス）

KPMG FASの賞与制度は、個人の業績とチーム・会社全体の業績を組み合わせた評価システムを採用しています。

年2回の賞与支給が基本で、基本給の3～6ヶ月分程度が標準的な支給額とのことですが、業績が優秀な場合は基本給の8～12ヶ月分の賞与が支給されることもあるようです。

特にM&Aアドバイザリーやデューデリジェンス案件で大きな成果を上げた場合は、特別賞与やインセンティブボーナスが追加で支給されるケースも珍しくありません。

マネージャー以上になると賞与の年収に占める割合がさらに高くなり、年収の30～50%程度を賞与が占めることも多く、成果主義の報酬体系が色濃く反映されています。

ボーナスの比重が大きい。一方、基本給の賃上げ幅は非常に小さい。プロモーションしなければ、基本給部分は上がりづらい。好業績であれば、ボーナスが増えるため、トータルでは同業他社と比較してもかなり高い水準の年収になる。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜シニアアソシエイト、在籍3年未満、男性

各種手当

KPMG FASでは、専門性向上や業務効率化を支援する各種手当制度が用意されています。

資格取得支援制度として、公認会計士やUSCPA、証券アナリストなどの資格取得費用の補助や合格時の一時金支給があります。

また、海外案件への参画や海外研修参加時には、海外出張手当や語学研修費用の補助が支給され、グローバルな専門性向上をサポートする制度が整っているのも魅力です。

その他、通勤手当や住宅手当（条件あり）、健康管理手当なども支給されています。

男女の年収差

KPMG FASでは、男女間の年収格差是正に向けた取り組みが積極的に行われています。

同一職級・同一経験年数であれば基本給に男女差はなく、評価制度も客観的な業績指標に基づいて運用されています。

ただし、ファイナンシャルアドバイザリー業界全体の特徴として、長時間労働やクライアント対応の必要性から、出産・育児期の女性社員のキャリア継続に課題があることも事実のようです。

とはいえ、近年は在宅勤務制度の拡充や時短勤務制度の整備、復職支援プログラムの充実などにより、女性社員のキャリア継続とマネジメント職への登用を積極的に推進しています。

この結果により、男女の年収格差は徐々に縮小傾向にあることがうかがえます。

特に男女の間に評価や待遇で差はない。
ただ、マネージャー以上に子育てと両立している人はほとんどいないというのが実態

引用：Openwork｜女性の働きやすさ｜シニアアソシエイト、在籍3年未満、男性

男女間の格差は感じない。但し、業界性質上、女性が長期的に働きやすい会社かといわれるとやはりそうではないと思う。一方、個人単位は別として会社としてのコンプラや法令順守意識は非常に強いため、うまく制度を利用し、個別に周囲の理解も得ながら、業務量や稼働時間を調整することは可能ではある。但し、その場合子供や介護者がいることが前提となるため、そうではなく個人的な価値観や体力面で調整ができるような土壌はない。なお、女性比率は管理職となると少なく、管理職未満はもう少し多い。部署にもよるが、多い部署で管理職未満の女性比率は3割ほどの印象。

引用：Openwork｜女性の働きやすさ｜Professional、在籍5～10年、女性

KPMG FASの働き方｜残業時間・離職率・福利厚生は？

KPMG FASの働き方は、ファイナンシャルアドバイザリー業界の特性を反映した、プロジェクトベースの労働環境が特徴です。

クライアントの緊急性やプロジェクトの性質により労働時間に変動はありますが、近年はワークライフバランスの改善に向けた取り組みも積極的に推進されています。

残業時間

KPMG FASの残業時間は、プロジェクトの性質や時期によって大きく変動するのが特徴です。

通常期では月40～60時間程度の残業が標準的ですが、M&Aアドバイザリー案件やデューデリジェンス業務の繁忙期には月80～120時間の残業が発生することもあります。

特に大型案件のクロージング前や四半期末、年度末などは集中的な作業が必要となり、深夜や休日出勤が続くケースもあるようです。

しかし、プロジェクト終了後には代休取得が推奨されているため、残業によるストレスは感じづらい可能性があります。

また、近年は働き方改革の一環として、リモートワークの活用や効率的な業務プロセスの構築により、残業時間の削減に向けた取り組みが強化されています。

離職率・平均勤続年数

KPMG FASの離職率は、ファイナンシャルアドバイザリー業界の特性を反映して、一般企業と比較すると高水準です。

年間離職率は20～30%程度とされており、特に入社3～5年目のアソシエイトレベルでの転職が多い傾向にあるようです。

平均勤続年数は5～7年程度と推定され、多くの社員がスキルアップやキャリアチェンジを目的として他社への転職を選択するケースが少なくありません。

一方で、マネージャー以上に昇進した社員の定着率は比較的高く、専門性を活かした長期的なキャリア形成を図る社員も一定数存在します。

勤続期間は、個人のキャリア志向によってに大きな差が生まれていることがうかがえます。

福利厚生

KPMG FASの福利厚生制度は、外資系コンサルティングファームとして充実の内容となっています。

健康保険や厚生年金などの基本的な社会保険に加え、企業型確定拠出年金制度や団体生命保険、医療費補助制度などが設けられています。

また、年次有給休暇の取得促進や特別休暇制度（慶弔休暇、育児・介護休暇等）、フレックスタイム制度やリモートワーク制度の導入により、働き方の柔軟性も向上している点もポイントです。

その他、資格取得支援制度や研修費用補助、健康診断の充実、社員食堂や通勤手当なども提供されています。

プロフェッショナルとしての成長と健康的な働き方を両立できる環境が整備されていることは、KPMG FASの魅力の一つです。

キャリアパス

KPMG FASのキャリアパスは、アナリスト→アソシエイト→シニアアソシエイト→マネージャー→シニアマネージャー→ディレクター→パートナーという明確な階層構造となっています。

各段階で求められるスキルセットが明確に定義されており、M&Aアドバイザリー、バリュエーション、事業再生などの専門分野を深める機会も豊富に用意されている点が強みです。

また、海外駐在や他国のKPMGとの協働プロジェクト参加など、グローバルなキャリア形成の機会も提供されています。

国際的なファイナンシャルアドバイザリー専門家として成長できる環境が整っているよため、グローバルな舞台で活躍したい方におすすめの企業です。

KMPGFASはどんな会社？｜年収が高い理由・今後の展望も解説

KPMG FASは、世界的な会計事務所であるKPMGグループの一員として、日本市場におけるファイナンシャル・アドバイザリー業務を専門的に提供している企業です。

M&Aアドバイザリー、企業再生支援、フォレンジック調査など、企業の財務面に関する高度な専門サービスを展開。

国内の大手企業から中小企業に至るまで、幅広いクライアントに対してコンサルティングサービスを提供しています。

主な事業・サービス内容

項目	内容
会社名	KPMGFAS株式会社
本社所在地	東京都千代田区大手町1-9-7 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー
設立	2003年4月
代表者	知野 雅彦氏　　岡田 光氏　　澄川 徹氏
従業員数	約500名

KMPGFASの主力事業は、M&Aアドバイザリーサービスです。

企業の買収・売却に関する戦略立案から実行支援まで、包括的なサポートを提供しており、日本国内外の大型案件を数多く手がけています。

また、企業再生・事業再構築支援では、財務面での課題を抱える企業に対して、債務整理や事業計画の見直し、資金調達支援などの専門的なアドバイスが強みです。

さらに、フォレンジック調査やコンプライアンス支援、バリュエーション（企業価値評価）など、企業の透明性向上や適正な価値算定に関するサービスも展開しています。

年収が高い理由

KMPGFASの年収が高い理由として、まず高度な専門性を要求される業務内容が挙げられます。

M&Aアドバイザリーや企業再生支援など、企業の重要な経営判断に直結する業務を担当するため、公認会計士やファイナンシャル・アドバイザーといった高度な資格や専門知識が必要とされます。

また、KPMGという世界的なブランド力により、大手企業や外資系企業からの高額案件を獲得できることも、高年収を支える要因の一つです。

さらに、成果報酬型の給与体系が採用されており、案件の成功に応じてボーナスが支給されるため、優秀な人材ほど高い年収を実現できる仕組みが整っています。

加えて、長時間労働が前提となる業界特性上、残業代や各種手当も年収を押し上げる要因となっています。

今後の展望

KMPGFASの今後の展望として、ESG投資やデジタル変革に関連するアドバイザリーサービスの拡充が期待されます。

近年、企業の持続可能性や環境配慮が重視される中で、ESG関連のM&Aや事業再編の需要が高まっており、同社の専門性を活かせる分野として注目を集めています。

また、DX（デジタルトランスフォーメーション）推進に伴う企業の事業変革支援や、テクノロジー企業のバリュエーション業務なども成長分野の一つです。

さらに、アジア太平洋地域でのクロスボーダーM&Aの増加により、国際的な案件への参画機会も拡大することが予想されます。

これらの新たな事業領域への展開により、KMPGFASは今後も安定した成長を続け、従業員にとっても魅力的な職場環境を提供し続けることがうかがえます。

まとめ

KMPGFASは、世界的な会計事務所KPMGグループの一員として、M&Aアドバイザリーや企業再生支援などの高度な財務アドバイザリーサービスを提供する専門企業です。

年収水準については、高度な専門性と成果報酬型の給与体系により、業界平均を上回る高水準が期待できるでしょう。

特に、公認会計士などの専門資格を持つ人材や、M&A案件での実績がある経験者にとっては、キャリアアップと年収向上の両方を実現できる魅力的な職場環境が整っています。

一方で、長時間労働が前提となる業界特性や、高いプレッシャーの中での業務遂行が求められることも理解しておく必要があります。

今後は、ESG投資やデジタル変革関連のアドバイザリーサービス拡充により、さらなる成長が期待される企業です。

KMPGFASへの転職を検討している方は、財務・会計分野での専門性を磨きつつ、グローバルな視点を持って業務に取り組める準備を整えることが重要といえるでしょう。