JR東日本の平均年収は約767万円！年代・役職別の年収や働き方・キャリアパスを解説

JR東日本（東日本旅客鉄道）は、JRグループの大手鉄道事業者として、東日本を中心とした旅客鉄道運営に加え、生活サービス事業やSuicaサービス事業も展開する企業です。

国内トップクラスの旅客鉄道運営企業として、駅ナカ事業やショッピングセンター、ホテル運営など幅広い事業領域を持つ同社は、安定した経営基盤と魅力的な給与水準で知られています。

本記事では、JR東日本の平均年収や年代別・役職別の年収、中途採用の状況について解説します。

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JR東日本の平均年収は767万円

JR東日本の年収水準について、他社との比較も含めてより詳しく見ていきましょう。

2025年3月期有価証券報告書によると、JR東日本の平均年収は約767万円（平均年齢39.2歳、平均勤続年数16.6年）です。

転職サイトのデータでは566万円となっていますが、有価証券報告書の数値がより正確な実態を表していると考えられ、鉄道業界の中でも高い水準を示しているのが特徴です。

JR東日本と他社の年収を比較

会社名	平均年収	参照
JR東日本	約767万円	有価証券報告書
JR東海	約810万円	有価証券報告書
東急電鉄	約777万円	有価証券報告書
京王電鉄	約761万円	有価証券報告書
小田急電鉄	約753万円	有価証券報告書
JR西日本	約684万円	有価証券報告書

最も高いのはJR東海の810万円で、JR西日本は684万円と比較的低めです。

年収面から見れば、JR東日本はJRグループの中でも安定したポジションにあると言えます。

私鉄各社と比べても、東急電鉄を除けば、京王電鉄や小田急電鉄と大きな差はなく、JR東日本の給与水準は私鉄上位クラスと同等かやや高めです。

JR東日本の強みは、首都圏という人口密集エリアでの鉄道事業に加えて、新幹線事業や駅ナカ事業、不動産事業など多角的な経営を展開していることにあります。

安定的な収益基盤が確保され、社員の給与水準の維持にもつながっていると考えられます。

JR東日本における給与体系｜年代別・役職別の年収は？

JR東日本の詳細な給与体系について、役職や年代、各種手当など多角的な観点から詳しく見ていきましょう。

同社は典型的な年功序列制度を採用しており、定期昇給とベースアップが毎年実施されています。

また、昇進には試験制度が設けられており、個人の努力と成果によって昇進スピードが変わる仕組みとなっているのが特徴です。

役職別の年収

JR東日本の社員の口コミ情報によると、「大学学部卒・都内勤務・エリア職」の場合、年収目安は以下のとおりです。

年度ごとに昇給する定期昇給制度を取り入れている。業務成績等で昇給が加算されることはない。しかし、半期毎に支給される賞与では成績が評価され、基準支給額に＋５％、＋１０％、＋１５％という形で上乗せされる。各増割合毎に人数が決まっており、最高額の＋１５％を支給される人数は各職場に数人程度しか割り当てがない。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜技術系、在籍15～20年、退社済み、新卒入社、男性

総合職の場合には、主幹職まではほぼ年功序列。管理職等用のタイミングは、同期間でも3〜5年程度差があるイメージ。そのため、入社15年目程度までは給与差はほぼなく、夏季手当や冬季手当の評価プラスによる加算分程度の差である。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜総合職、在籍10～15年、現職 、新卒入社、男性

年代別の年収

年齢	平均年収	年収範囲
25歳	414万円	326万円～527万円
30歳	513万円	403万円～653万円
35歳	606万円	477万円～771万円
40歳	703万円	552万円～894万円
45歳	814万円	640万円～1,036万円
50歳	953万円	749万円～1,212万円
55歳	1,125万円	884万円～1,431万円

JR東日本の年代別年収データを改めて詳しく見ると、同社の給与体系の特徴がよく表れています。

20代後半では400万円台からスタートし、30代で500万円台、40代で700万円台と着実に上昇していることがわかります。

特に40代以降の年収上昇が顕著で、管理職への昇進が大きく影響していると考えられます。

50代では年収1,000万円を超える社員も多く、鉄道業界の中では魅力的な水準です。

年収範囲の幅が広いのは、職種や勤務地、昇進状況による差が大きいことを示しています。

残業代

JR東日本では残業代について、分単位での支給が行われており、サービス残業は基本的にないとの口コミが多く見られます。

残業代については分単位で支給される。ただ、支社などの非現業機関では繁忙期ではサービス残業が発生しているとの噂は聞く。現場ではそのような噂は聞かない。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜運輸車両部門、在籍5～10年、現職（回答時） 、新卒入社、男性

技術職の場合、夜間作業や特殊勤務に対する手当も充実しており、手当と残業代を合わせることで、基本給の低さを補っている側面もあります。

賞与（ボーナス）

JR東日本の賞与は年2回（夏季・冬季）、基本給の5〜6ヶ月分が支給されます。

近年の支給額は以下のとおりです。

	2024年度年末手当	2025年度夏季手当
支給月数	2.9ヶ月分	2.8ヶ月分
平均支給額	103万2,000 円	104万9,200円

年々ベースアップもしており、ボーナスもコロナ前の金額程度に戻ってきてます。上を見たらキリが無いですが、悪く無い水準だと思います。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜駅員、在籍3～5年、現職 、中途入社、男性

仕事を評価されると、賞与に3〜30％（20％〜30％はほとんど付かない）が掛けられる。競争が比いことと、評価基準が分からないため、周囲を見ると自分への評価にやや不満と感じることもある。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜保線、主任、在籍5～10年、現職 、新卒入社、男性

評価による加算については、上司の判断に委ねられている面が強く、必ずしも成果主義とは言えない側面もあるようです。

それでも、決められた仕事をしっかりとこなしていれば満額の賞与が支給されるため、安定した収入源として機能しているといえるでしょう。

各種手当

JR東日本では充実した手当制度が設けられており、基本給を補完する重要な役割を果たしています。

主な手当は以下のとおりです。

なお、住宅手当は賃貸物件に住む場合も、住宅を購入した場合にも支給されます。

軽い自己負担額でマイホームを購入できるのは、JR東日本という大企業に勤める魅力の一つと言えます。

男女の年収差

JR東日本の人的資本情報によると、男女間の賃金差異は単体で89.6％（正規雇用83.7％）、連結で77.6％（正規雇用81.6％）です。

男女間の賃金差異は女性の賃金を男性の賃金で割った数値で、一定の格差が存在することを示しています。

ただし、この数値には勤続年数や職種の違いなども影響していると考えられます。

女性も男性社員も同様に評価されるため、差は感じない。昇進試験の合格率も、同じくらいか、女性の方が多いと思う。ただ、社員数は女性に比べて男性が多いため、仕事を進めていく中で壁を感じることはある。

引用：OpenWork｜女性の働きやすさ｜技術職、在籍10〜15年、現職、新卒入社、女性

「女性も男性社員も同様に評価されるため、差は感じない。昇進試験の合格率も、同じくらいか、女性の方が多いと思う。ただ、社員数は女性に比べて男性が多いため、仕事を進めていく中で壁を感じることはある。OpenWork｜女性の働きやすさ｜技術職、在籍10〜15年、現職、新卒入社、女性」

近年、同社では女性管理職の登用を積極的に進めており、2024年4月時点で女性管理職割合は7.8％（目標10％以上）となっています。

また、育児休職制度の充実や時短勤務制度の整備により、仕事と育児の両立支援に力を入れていることがわかります。

JR東日本の働き方｜残業時間・離職率・福利厚生は？

JR東日本の職場環境について、残業時間や離職率、福利厚生制度などさまざまな角度から詳しく見ていきましょう。

同社は鉄道という公共交通を担う企業として、社員の働きやすさと安全性確保の両立に取り組んでいます。

近年はワーク・ライフ・バランスの実現にも力を入れており、多様な働き方をサポートする制度の充実を図っているのが特徴です。

残業時間

JR東日本の求人ページによると、2023年度の残業時間は一人当たり15時間となっています。

鉄道業界の特性上、安全確保のために労働時間管理が厳格に行われていることが影響していることが伺えます。

職種による違いも大きく、現場勤務の社員からは「残業代は分単位で支給される」「サービス残業はない」との声が聞かれます。

一方で、本社や支社の企画系部門では、繁忙期にはある程度の残業が発生することもあるようです。

技術職の場合、夜間作業や緊急対応による残業もありますが、適切な手当が支給されています。

非現業機関（本社・支社）では勤務時間の調整がしやすく、コアタイムのないフレックスタイム制も導入されています。

離職率・平均勤続年数

2023年度の離職率は1.29％（定年退職等を除いた数値）と、非常に低い水準を維持しています。

離職率の低さは、企業の安定性と働きやすさを示す重要な指標といえるでしょう。

平均勤続年数は16.6年（有価証券報告書）となっており、男女別に見ると男性が16.9年、女性が12.3年となっています。

女性の平均勤続年数が男性より短いのは、結婚や出産を機に退職するケースがあることが影響していると考えられます。

しかし、近年は育児休職制度の充実により、女性の継続就業率も向上しています。

福利厚生

制度・手当	内容
休日休暇	年次有給休暇（入社時に15日付与、6年目以降は最大20日付与） 結婚休暇 忌引休暇 ボランティア休暇　など
育児・介護支援	産前産後休暇 配偶者出産休暇 産後パパ休暇 育児休職 短時間勤務 短日数勤務 養育休暇
自己啓発	スクール支援 キャッシュバック支援（教養図書等の補助）
住宅関連	住宅手当（最大3万円） 独身寮 単身赴任者のための寮（一人用個室） 家族向けの社宅
その他	健康保険 厚生年金 雇用保険 労災保険 通勤手当 家族手当 人間ドック補助金 インフルエンザ予防接種補助金 JR東日本グループ共済会 JR東日本グループ従業員持株会 など

JR東日本の福利厚生制度は非常に充実しており、社員の働きやすさを支える重要な要素となっています。

育児支援制度が手厚く、育児休職は最大3年間取得可能で、時短勤務は子どもが小学1年生の年度末まで、短日数勤務は子どもが小学3年生の年度末まで利用できます。

子どもが小学3年生の年度末まで、養育を目的に希望すると1ヶ月5日以内で取得できる養育休暇もあります。

健康管理面では定期健康診断受診率100％を達成しており、ストレスチェック受検率も91.2％と高い水準を維持しています。

このような制度により、社員が安心して長期間働ける環境が整備されています。

キャリアパス

JR東日本のキャリアパスについて、採用区分別の特徴と昇進制度を詳しく見ていきましょう。

JR東日本では主に総合職とエリア職の2つの採用区分があり、それぞれ異なるキャリアパスが用意されています。

総合職は海外事業を含むあらゆるビジネスフィールドでの経験を積み、グループ全体のマネジメントを担うことが期待されています。

エリアは各エリアを軸とした地域社会への貢献と事業運営の中核を担い、ジョブ型は特定領域での高い専門能力を発揮することが求められます。

キャリア開発支援も充実しており、社内公募制異動や募集型研修への参加が可能です。

国内外の大学・大学院への留学制度、副業制度なども整備されており、多様なチャレンジ機会が提供されています。

JR東日本はどんな会社？｜年収が高い理由・今後の展望も解説

JR東日本は1987年の国鉄分割民営化により設立され、東日本地域を中心とした鉄道事業を基盤として、多角的な事業展開を行っています。

鉄道事業だけでなく、生活サービス事業やIT・Suicaサービス事業なども手がけ、総合的な生活インフラ企業として成長を続けているのが特徴です。

主な事業・サービス内容

項目	内容
会社名	東日本旅客鉄道株式会社（JR東日本）
設立	1987年4月1日
本社所在地	東京都渋谷区代々木2-2-2
資本金	2,000億円
社員数	44,790人（単体）
上場証券取引所	東京証券取引所プライム市場

JR東日本は東日本17都県にわたる広大な営業エリアを持つ日本最大級の鉄道会社です。

在来線約7,500kmに加え、東北・上越・北陸新幹線などの新幹線事業も展開しており、年間約40億人の旅客輸送を担っています。

事業領域は鉄道事業にとどまらず、駅ナカ事業「エキュート」や「アトレ」などのショッピングセンター運営、ホテル事業、不動産開発事業など多岐にわたります。

特にSuicaを活用したキャッシュレス決済サービスやデータマーケティング事業にも力を入れており、デジタル技術を活用した新たな価値創造に取り組んでいるのが特徴です。

また、2025年度採用では「開発・不動産」「Suicaサービス」「データマーケティング」の3分野でジョブ型採用を実施するなど、重点・成長分野への投資を積極的に行っています。

このような事業は従来の鉄道事業とのシナジー効果を生み出し、同社の競争力向上に大きく寄与しているといえるでしょう。

年収が高い理由

JR東日本の年収水準を支える最大の要因は、首都圏という日本最大の人口密集地域で鉄道事業を展開していることです。

首都圏から東日本各方面への新幹線事業では客単価の高いサービスを多くの利用者に提供でき、安定した収益基盤を構築しています。

また、東京・新宿・渋谷・池袋など主要ターミナル駅の周辺に多くの土地を保有しており、不動産事業からも継続的な収益を得ているのが特徴です。

事業の多角化も重要な要素です。

鉄道事業だけでなく、駅ナカ事業やショッピングセンター運営、ホテル事業、IT・Suicaサービス事業など、さまざまな事業領域でシナジー効果を発揮しています。

特にSuica発行数は約9,200万枚に達し、決済データを活用したマーケティング事業なども新たな収益源となっています。

安定した労使関係と長期的な人材育成方針も年収水準の維持に寄与しています。

年功序列制度と充実した福利厚生制度により、社員の定着率が高く、長期的なスキル蓄積が可能です。

今後の展望

JR東日本の最大の課題は少子高齢化による人口減少への対応です。

沿線人口の減少は避けられない状況で、既存の鉄道事業の効率化と自動化が必須となっています。

自動運転技術の導入やAI・カメラを活用した遠隔監視システムの整備により、人件費を抑制しながら安全性を確保する取り組みが進められています。

一方で、新たな成長機会として不動産事業の拡大が期待されています。

駅周辺の優良な土地を活用した開発・再開発事業により、家賃収入を安定的な収益源として確立する戦略です。

また、インバウンド需要の回復により、観光関連事業も再び成長軌道に乗ることが予想されます。

デジタル技術の活用も重要な成長戦略です。Suicaのビッグデータを活用したマーケティング事業や、MaaS（Mobility as a Service）の実現に向けた取り組みなど、従来の鉄道事業の枠を超えた価値創造が期待されています。

まとめ

JR東日本の平均年収は約767万円となっており、鉄道業界の中では高い水準を維持しています。

給与体系の特徴として、基本給に加えて都市手当、住宅手当、特殊勤務手当など充実した手当制度があり、これらが年収水準の向上に大きく寄与しています。

働き方の面では、月間残業時間17.2時間、有給休暇取得率92.3％と良好な数値を示しており、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みが効果を上げています。

転職や就職を検討している方にとって、JR東日本は安定した年収水準と充実した福利厚生制度、長期的なキャリア形成が可能な魅力的な企業です。