役員の転職は難しい?転職に関する制限や成功させるポイントを解説

役員転職難しい

「役員として長年キャリアを積んできたが、新たなフィールドで力を試したい」と考えたとき、多くの人が直面するのが役員転職の難しさです。

一般社員の転職とは異なり、求人数の少なさや求められる実績の高さ、会社法上の手続きなど、役員ならではの障壁が転職活動の難易度を上げています。

とはいえ、役員の転職は不可能ではありません。

ポイントをしっかり押さえれば、これまでの経験・スキルを活かした転職は十分に実現できます。

本記事では、役員転職が難しいと言われる理由や転職を成功させるポイント、円満退職に向けた注意点、おすすめの転職エージェントについて紹介します。

編集部

役員転職を検討している人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

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目次

役員の転職が難しいと言われる理由

役員の転職が難しいと言われる背景には、一般社員の転職とは根本的に異なるいくつかの要因があります。

ここでは、役員転職を難しくしている5つの理由を詳しく見ていきましょう。

公開されている求人が圧倒的に少ないから

役員ポジションの求人は、一般の転職サイトにほとんど掲載されません。

会社法で「役員」として定められているのは取締役・会計参与・監査役の3職種のみで、そもそも企業内でのポスト数が従業員数と比べて圧倒的に少ない構造となっています。

加えて、役員の交代は経営戦略や組織の方向性に直結するため、企業は外部に募集情報を公開することを避け、転職エージェントを通じた非公開求人やヘッドハンティングで人選を進めるケースがほとんどです。

その結果、自力での求人探索が難しく、情報収集の段階から転職活動が行き詰まりやすくなります。

一般的な転職サイトだけで活動していると、選択肢が著しく狭まってしまうため、ハイクラス向けの転職エージェントへの登録を検討しましょう。

編集部

役員求人の9割以上が非公開求人とも言われます。

求められるスキルや実績のハードルが高いから

役員として転職するには、これまでの経験・スキルを保有しているだけでは不十分で、転職先でも役員を務められるだけの適性があることを証明しなければなりません。

JACが実施した「経験者採用に関する調査」では、役員クラスの経験者採用において求められるスキルの上位は以下の通りです。

順位求められるスキル回答数
1位情報を収集し状況変化を把握できる力82人
2位的確に予測・判断する力65人
3位問題を発見・解決する力58人
出典:JAC Recruitment|【転職の実態調査】企業から求められている「経験者」とは?

経営や事業運営に直結するスキルが求められており、過去の実績を具体的な数字や成果と結びつけて伝えられるかどうかが、選考の大きな分かれ目となっています。

「どんな課題に、どう対処し、どんな成果を出したか」を定量的に語れる準備が必要です。

編集部

漠然とした「経営経験があります」では、役員転職の選考は通りにくいのが現実です。

転職先の役員・社員との関係構築が必要だから

転職先にはすでに醸成された企業風土や役員間の力学が存在しており、外部から入ってきた役員がその中で速やかに信頼関係を築くのは容易ではありません。

一般社員の転職であれば「まずは業務を覚えながら」という猶予がありますが、役員クラスでは入社初日から経営判断に関与し、既存の役員や従業員を動かす立場が求められます。

専門スキルに加えて、組織文化への適応力やリーダーシップ、コミュニケーション能力が高次元で求められる点が、転職の難易度をさらに引き上げています。

面接の段階で「自分がどのように組織に馴染み、成果を出していくか」のビジョンを具体的に語れると、採用側の懸念を払拭しやすいでしょう。

編集部

実際に入社後の動き方まで想定して臨んでみてください。

退職の手続きが一般社員より複雑だから

一般社員であれば退職届を提出すれば手続きが完了します。

しかし、取締役など法律上の「役員」が退任する場合は、会社側が登記簿の変更手続きを行う必要があり、後任の選任まで含めると相応の時間がかかります。

また、転職先で取締役として選任されるには株主総会の決議を経る必要があるため、内定から実際の就任まで数か月を要するケースも珍しくありません。

こうした手続き上の複雑さが転職のタイムラインを長くし、転職活動全体の難度を上げる要因の一つとなっています。

役員の任期は通常2年(監査役は4年)です。

任期途中での退任は後任選任が必要になるなど企業への負担が大きく、転職後の関係悪化にもつながりかねません。

編集部

できれば任期満了のタイミングに合わせて転職活動を計画するのが理想的です。

年収・ポジションのミスマッチが起きやすいから

人事院の「令和5年度 民間企業における役員報酬(給与)調査」によると、役員の平均年収は職位や企業規模によって大きく異なります。

スクロールできます
職位平均年収
(万円)
3,000人
以上
1,000〜3,000人
未満
500〜1,000人
未満
会長6,391.19,305.85,813.15,636.4
社長5,196.88,602.65,275.64,225.5
副社長4,494.46,008.83,947.93,510.6
専務3,246.94,545.03,343.62,543.4
常務2,480.03,354.82,464.22,154.4
専任
取締役
2,086.62,990.82,100.31,836.6
監査役1,694.92,692.91,657.51,326.8
出典:人事院「令和5年度 民間企業における役員報酬(給与)調査」第3表より作成

前職と同等の年収・ポジションを維持できるかどうかは、転職先の企業規模や成長フェーズによって大きく変わります。

特に成長途上のスタートアップや中小企業への転職では、役員報酬が大幅に下がるケースも少なくありません。

年収へのこだわりが強すぎると選択肢が極端に狭まるため、企業の成長可能性や自身が貢献できる環境かどうかを軸に判断することがポイントです。

企業規模が小さくても、成長フェーズにある企業では長期的に大きなリターンが期待できます。

編集部

目先の年収水準だけでなく、ストックオプションや業績連動型の報酬体系なども含めてトータルで判断してみてください。

役員が転職を考えるきっかけ

役員が転職を決意するまでには、さまざまなきっかけがあります。

ここでは、よくある3つのパターンを見ていきましょう。

経営方針や経営者との方向性がずれてきた

役員が転職を考える最も多いきっかけの一つが、経営者との方針のズレです。

成熟・安定期に入った企業では、経営者が描く将来像と役員自身が考える方向性が少しずつ乖離していくケースがあります。

特にトップダウン型の企業文化では、経営者の一声で方針が大きく変わるため、そうした環境に違和感を覚えやすい傾向があります。

急成長を経た後の組織再編や、外部からの経営幹部の参画をきっかけに派閥争いが生まれるケースも見られます。

自身の能力や実績とは関係なく、外部要因でキャリアが閉ざされてしまうと感じたとき、転職を決断する役員は少なくないでしょう。

経営者との方向性のズレは、長期間抱えるほど精神的な消耗も大きくなります。

編集部

「まだ何とかなる」と先送りにせず、早めに自分のキャリアの方向性を整理しておくことが大切です。

これ以上のキャリアアップが見込めなくなった

オーナー企業などで創業者一族が上層部を占めている場合、いくら実績を積んでも昇進の天井が見えてしまうことがあります。

厚生労働省の「法人役員調査」によると、法人役員の年齢は60歳代以上が43.5%と最も多い結果でした。

次いで、50歳代が29.3%、20代・30代の割合はわずか6.5%程度にとどまっています。(出典:厚生労働省|法人役員調査

人材の新陳代謝が遅く、ポストが固定化された組織では、自分の成長や貢献の場が限られてしまいます。

「まだ手腕を発揮できる環境で働きたい」という意欲のある役員ほど、外のフィールドへの関心が高まる傾向があるでしょう。

役員定年が設けられている企業も珍しくありません。

定年を前に転職市場での自身の価値を確認しておくことが、選択肢を広げるうえで重要です。

編集部

ビズリーチなどのスカウトサービスに登録し、どんなオファーが来るかを把握しておくだけでも参考になります。

ヘッドハンティングやスカウトを受けた

転職の意思が明確でなかったにもかかわらず、ヘッドハンティングやスカウトをきっかけに転職を決断するケースも役員には多く見られます。

役員クラスのポジションは公開求人が少ない分、企業側も優秀な人材を探すために積極的にスカウトを行います

突然の打診に戸惑いを感じる人もいるかもしれませんが、自分の市場価値を客観的に知るよい機会ともいえます。

しかし、スカウトを受けた際は即断せず、現職と転職先の条件・文化・ビジョンをしっかり比較したうえで判断することが大切です。

ヘッドハンティングやスカウトで転職した役員は、転職後の満足度が比較的高い傾向があります。

編集部

自分から動かなくても声がかかるよう、LinkedInやビズリーチなどのプロフィールを常に最新の状態に保っておくことをおすすめします。

役員の転職に制限はある?法律・競業避止義務を解説

「役員は転職できないのでは」と思っている人もいるかもしれませんが、法律上は役員の転職を禁じる規定は存在しません。

ただし、知っておくべき法的・実務的な注意点があります。

役員の転職に関する制限・注意点

法律上、役員の転職を禁止する規定はない

日本国憲法第22条が定める「職業選択の自由」は、役員にも等しく適用されます。

会社法第356条では取締役が在任中に競業取引・利益相反取引を行う際の制限が定められています。

しかし、これはあくまで在任期間中の行動を対象とするものです。(出典:e-Gov法令検索「第三百五十六条」

退職後の転職活動にはこの条文は適用されないため、退職さえすれば自由に転職先を選べるのが原則です。

ただし、社内規程や個別の誓約書によって制約が課されている場合もあるため、退職前に契約内容を確認しておくことが重要です。

競業他社への転職が決まった場合は特に、離職・入社の公表タイミングを慎重に考えておくことをおすすめします。

編集部

在任中の公な転職活動は企業との関係悪化を招く可能性があるので注意しましょう。

競業避止義務には必ず注意が必要

退職後も一定期間、同業他社への転職や同種の事業での起業を禁止する「競業避止義務」が契約で課されている場合があります。

この義務は企業の機密情報保護や利益確保を目的としており、就業規則や入社・退社時の誓約書で定められていることが一般的です。

違反した場合は損害賠償請求の対象となる可能性もあるため、軽視は禁物です。

ただし、競業避止義務は一生涯にわたって有効なわけではなく、その有効期間や対象範囲には限りがあります。

内容に納得できない場合や過度に広範な制限が課されている場合は、弁護士に相談することも選択肢に入れてみてください。

競業避止義務の有効性は、制限の期間・地域・職種の範囲、代償措置(退職金の上乗せ等)の有無によって判断されます。

編集部

署名前に必ず内容を精査し、過度な制限には異議を唱えることも検討しましょう。

転職活動は水面下で進めるのがマナー

役員が転職することは、株主・取引先・従業員に対して少なからず影響を与えます。

そのため、在任中に公然と転職活動を行うことは、企業倫理やビジネスマナーの観点から避けるべきです。

特に競業他社への転職が決まっている場合は、離職・入社の公表を急がず、退職が確定してから転職先を公表するのが無用なトラブルを避ける方法です。

円満退職を実現するためにも、在任中の企業に対するフォロー(後任の引き継ぎ・取引先への挨拶など)を丁寧に行うことが、長期的な信頼関係の維持につながるでしょう。

役員転職では転職活動と退職準備を並行して進めることが多いため、早めにハイクラス向け転職エージェントに相談し、スケジュール感を掴んでおくと動きやすくなります。

編集部

「いつ・どのように退職するか」も戦略のうちです。

役員が含まれる役職とは?

「役員」という言葉は日常的に幅広く使われますが、法律上の定義は明確に定められています。

転職活動を進める前に、自分が法律上の「役員」に該当するかどうかを確認しておきましょう。

役員が含まれる役職

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取締役

会社法第329条第1項において、役員は取締役・会計参与・監査役の3種として定義されています。(出典:e-Gov法令検索「第三百二十九条」

取締役は株主総会の決議によって選任され、会社の業務執行や経営戦略の決定に関与する職位です。

社長・副社長・専務・常務といった呼称はあくまで会社内の役職であり、法律上はいずれも「取締役」として扱われます。

転職時に「取締役」として選任されるには株主総会の承認が必要なため、内定後も就任まで時間がかかる点は念頭においておきましょう。

また、代表取締役は取締役の中から選ばれた会社の代表者を指すものであり、社長が必ず代表取締役でなければならないというわけではありません。

編集部

「代表取締役=社長」と思われがちですが、これは誤解です。

監査役・会計参与

監査役は取締役の業務執行を監査し、企業の健全な経営を実現するための役割を担います。

取締役会に出席し意見を述べることはできますが、議決権は持たず、独立した立場から監査機能を果たす重要なポジションです。

会計参与は2006年の会社法施行で新設された役職で、取締役と共同して計算書類等を作成する役割を担います。

税理士・公認会計士・監査法人だけが就任できる専門職であり、転職市場では比較的特殊な位置づけとなっています。

監査役・会計参与の求人は取締役以上に数が少なく、転職に際しては専門的な経歴が強く求められます。

上場企業への転職を目指す監査役候補の人は、社外取締役の経験を持つ専門家とのネットワークを活用するのが近道です。

編集部

エンワールドなどグローバル人材に強いエージェントへの相談も選択肢に入れてみてください。

執行役員(取締役との違い)

執行役員は会社法上の「役員」ではなく、従業員の中でいずれかの職務を持つ者が上層部の決定を実際の業務として執行する役職です。

取締役との最大の違いは、取締役会での議決権がない点です。

また、役員とは異なり労働三法の適用を受ける労働者に該当するため、失業保険の適用も可能となります。

転職市場では「執行役員=役員」として扱われる場合もありますが、法的な立場が異なるため、転職活動における自身のポジションを正確に把握しておくことが大切です。

執行役員から取締役へのステップアップを目指す転職も珍しくありません。

編集部

「執行役員として実績がある」という点は、役員ポジションへの転職で大きな強みになります。

役員転職で求められるスキルと実績

役員として転職するには、一般社員の転職以上に求められるスキルと実績の水準が高くなります。

企業側が役員候補に期待することを理解したうえで、自身のキャリアを整理しておきましょう。

役員転職で求められるスキル・実績

経営判断力と実行力

役員に求められるのは、不確実な局面でも迷いなく意思決定を行い、組織を前に進める力です。

状況が揺らぐほど、判断の質とスピードが試されます。

実際に、JACの調査でも、「情報を収集し変化を捉える力」と「先を見通して判断する力」は、役員クラスの採用で重視されるスキルとして上位に挙げられていました。

だからこそ面接では「どのような状況で、何を根拠にどう判断し、その結果どうなったのか」という一連のプロセスを語れるかどうかが重要になります。

意思決定の裏側まで説明できると、説得力は一段と増すでしょう。

さらに、M&AやIPOの推進、事業再建など経営に直結するプロジェクトへの関与は、転職市場で強い武器になります。

案件の規模や自分の役割、どの局面で意思決定に関わったのかを整理しておくと、自身の価値がより立体的に伝わるはずです。

これまで経験してきた「経営判断の瞬間」を棚卸しし、具体的なエピソードとして語れる状態に整えておきましょう。

編集部

面接は、実績を数字で示す場であると同時に、判断の質を言葉で証明する場でもあります。

マネジメント経験と組織構築力

役員として転職先に貢献するうえで、マネジメント経験と組織構築力は欠かせません。

単に部下を管理する経験にとどまらず「組織をゼロから立ち上げた」「部門間の連携を整備した」「採用・育成の仕組みを構築した」といった実績が特に評価される傾向にあります。

外部からの役員として組織に入ると、既存の役員や社員との関係構築が初日から求められます。

こうした経験の積み重ねが、転職先でも速やかに組織を掌握できるという採用側の信頼感につながるのです。

マネジメントの実績は「何人の組織を率いたか」だけでなく、「どんな課題を抱えた組織をどう変えたか」という変化の観点で語ると、より深みのあるアピールができます。

業界・事業への深い専門知識

同業界からの転職であれば、業界特有の商慣習・規制・競合環境への理解をそのまま活かせるため、即戦力として評価されやすくなります。

一方、異業種への転職の場合でも、財務・法務・IT・グローバル経験など、どの業界でも通用する「ポータブルスキル」が豊富であれば十分勝負できます。

役員転職では「スキルマトリックス」の考え方が企業側に広まっており、取締役会に足りないスキルを持つ人材を積極的に採用するケースが珍しくありません。

転職先が何を必要としているかをリサーチし、自分のスキルがその「空白」を埋められるかを確認してみてください。

スキルマトリックスを公開している上場企業の場合、自社の取締役会に不足しているスキルが一目でわかります。

編集部

応募前に対象企業の有価証券報告書やコーポレートガバナンス報告書を確認してみましょう。

執行役員経験は転職で有利になる?

結論からいえば、執行役員の経験は役員ポジションへの転職で十分な武器になります。

経営層と現場の橋渡し役として機能してきた執行役員は、経営視点と実務感覚の両方を持ち合わせています。

そのため、取締役や上級管理職への登用を想定する企業から注目されるでしょう。

ただし、法的に「役員」ではないため、求人によっては「役員経験者対象」に含まれないケースもあります。

応募要件を確認するとともに、自身の経験をどう表現するかを転職エージェントと事前に相談しておくと安心です。

執行役員の経験を持つ人は、JACリクルートメントのような30代〜40代以上のミドル・ハイクラス転職に強いエージェントへの相談が特におすすめです。

編集部

求人の特徴と自分の経験が本当にかみ合っているかを専門家に確認してもらうことで、応募先の選定精度は大きく高まります。

役員転職を成功させるポイント

役員転職は一般の転職活動とは異なる準備と戦略が必要です。

ここでは、転職を成功に導くために意識したい5つのポイントを紹介します。

自分の市場価値を客観的に把握する

役員転職で最初に必要なのは、外から見た自分の評価を正確に知ることです。

長年同じ組織にいると、自分のスキルや経験が外部からどう評価されるかを見誤りやすくなります。

自分の強みや弱みを整理するには、ビズリーチなどのスカウト型サービスに登録してどんな企業からオファーが届くかを確認したり、転職エージェントに率直なフィードバックを求めたりしましょう。

市場価値を把握したうえで転職活動を始めると、現実的な目標設定ができ、無駄な時間を省いた効率的な転職活動につながります。

転職する気がなくても、定期的に市場価値を確認しておくことは役員としてのキャリア管理の基本です。

編集部

「いざとなれば動ける」という状態を維持しておくことが、キャリアの選択肢を広げる秘訣です。

役員ポスト以外の求人も視野に入れる

役員ポストにこだわりすぎると、選択肢を自ら狭めることにもなります。

まず部長や事業部長として入社し、現場で実績を積んでから役員に昇進するというキャリアパスを設計している企業も多く存在します。

実力がある人材であれば、役員未満のポジションでも入社後に短期間で役員登用されるケースは珍しくありません。

ポジションにこだわるあまり選択肢を狭めるより、自分のスキルが存分に発揮できる環境を優先することが長期的なキャリア形成につながります。

JACが実施した調査では、500人未満の企業において役員クラスのニーズが特に高まっていることが示されています。

編集部

大企業だけでなく、成長途上の中小企業にも目を向けると、思わぬ好条件のポジションが見つかるかもしれません。

転職先の企業風土・カルチャーを確認する

実績やスキルがどれだけ優れていても、企業風土や経営陣との相性が合わなければ転職後にミスマッチが生じます。

役員として転職する場合、部下や同僚との関係だけでなく、株主・取引先・社員全体との関係性も意識する必要があります。

「この会社のビジョンに共感できるか」「既存の経営陣と対等に議論できるか」という視点で企業研究を深めることが大切です。

面接やカジュアル面談を通じて、できるだけ多くの関係者と話す機会を設け、組織の内側から文化を感じ取ることを意識してみてください。

JACリクルートメントなどのハイクラス特化エージェントは、企業の内部情報や経営陣の人柄まで把握していることが多くあります。

編集部

面接前にエージェントから情報収集をしっかり行うことで、ミスマッチを未然に防げるでしょう。

年収・ポジションへのこだわりを整理する

役員転職では、年収やポジションへの過度なこだわりが転職活動を難航させる要因になることがあります。

転職活動を効率的に進めるには、自分にとって「絶対に譲れない条件」と「できれば満たしたい条件」を事前に整理し、優先順位を明確にしておくことが重要です。

転職先の企業規模・成長可能性・職場環境なども含めてトータルで判断することで、見落としていた魅力的な選択肢が浮かび上がることも少なくありません。

また、年収が多少下がっても、長期的に企業の成長に貢献し信頼されるリーダーシップを発揮できれば、将来的なリターンは大きくなる可能性があります。

「今の年収を維持したい」という気持ちは自然ですが、企業の成長フェーズや報酬体系(ストックオプション・業績連動型等)によっては、表面上の年収以上の価値を提供してくれる職場もあります。

編集部

比較の際はトータルの報酬で判断しましょう。

中小企業・ベンチャーへの転職を選択肢に加える

役員として大きな裁量を持って働きたいなら、中小企業やベンチャーへの転職は非常に魅力的な選択肢です。

JACの調査では、従業員500人未満の企業において役員クラスのニーズが特に高まっており、後継者不在・新規事業立ち上げ・IPO準備といった場面で外部から役員を採用する動きが活発です。

大企業のように稟議や会議を重ねる必要が少なく、自分の判断が直接事業に影響を与えるダイナミックな環境で働けるのがベンチャー・中小企業への転職の醍醐味といえます。

「自分の色で会社を変えたい」という意欲のある役員経験者には、ベンチャーや地方中小企業の経営幹部ポジションが特にフィットしやすいでしょう。

編集部

ASIGNは20〜40代のキャリアアップ転職に強く、成長企業への転職支援に実績があるのでおすすめです。

役員が円満に退職するための注意点

役員の退職は一般社員とは異なる影響を周囲に与えます。

転職先での良いスタートを切るためにも、円満退職のための注意点を押さえておきましょう。

役員が円満に退職するための注意点

任期満了のタイミングで退職する

役員の任期は通常2年(監査役は4年)で、任期満了時には、特段の再任決議がなければ任期満了により退任となります。

そのため、任期途中での退職を表明した場合、後任が決まるまで権利義務が生じてしまい、転職活動に支障をきたすかもしれません。

任期満了を見越して早めに転職活動を始めることで、スケジュールに余裕を持った転職が実現できます。

転職先の就任タイミングとの兼ね合いもあるため、エージェントと相談しながらスケジュールを逆算して動くことをおすすめします。

任期満了を前提に転職活動を始めるなら、少なくとも6か月〜1年前からエージェントへの登録・情報収集を開始するのが理想的です。

編集部

役員ポジションの転職は選考・就任手続きに時間がかかる分、早めの準備が成功につながります。

同業他社への転職は慎重に進める

同業他社への転職は自身のスキルを最大限活かせる反面、前職との関係悪化やトラブルのリスクが高まります。

転職の意向が在任中に広まってしまうと、取引先や社員への影響が生じるほか、無理な引き留めや職場環境の悪化につながるケースもあるでしょう。

同業他社への転職が決まった場合は、退職が確定するまで転職先を公表しないのが賢明です。

また、顧客情報を利用した営業活動や従業員の引き抜きは、訴訟につながる可能性のある行為です。

前職への敬意を持った行動が、長期的な信頼の維持につながります。

業界が狭い分野では、転職後も前職の取引先や関係者と接する機会が多くあります。

編集部

円満退職かどうかが転職後のビジネス関係にも影響するため、在任中の誠実な対応が何よりも大切です。

退職時の契約書の内容を必ず確認する

退職にあたって署名を求められる契約書には、競業避止義務の期間・対象範囲・違約金などが定められていることがあります。

そのため、内容を十分に確認せずに署名してしまうと、転職後の行動が制限される恐れがあります。

納得のいかない内容には署名を拒否することも法的には可能ですが、企業との関係悪化も招きかねないため、慎重な対応が求められます。

内容が複雑だったり、過度に広範な制限が含まれている場合は、弁護士に相談することも選択肢の一つです。

安心して転職活動を進めるためには、自分の権利を守るための知識を持っておくことが大切です。

「退職金の上乗せ」と引き換えに競業避止義務に署名を求めるケースもあります。

一見お得に見えても、その後の転職活動が制限されて逆に損になる可能性があるので注意しましょう。

編集部

内容をしっかり精査してから判断してください。

役員から一般社員への転職はあり?

役員としてのポジションにこだわらず、一般社員として転職するという選択肢を考えている人もいるかもしれません。

ここでは、役員から一般社員への転職で想定されることを整理します。

役員から一般社員への転職

※クリックすると読みたい箇所にスキップできます

年収・待遇はどう変わるか

役員から一般社員へ転職した場合、年収は大幅に下がるケースがほとんどです。

肩書きが変わるということは、報酬テーブルそのものが切り替わるということでもあります。

ただし、見落とせない視点もあります。

役員は法律上「労働者」ではないため、残業代や失業保険といった労働者保護の対象外です。

一般社員として転職すれば、これらの制度の適用を受けられるようになります。

収入は下がっても「セーフティネットは厚くなる」といった側面もあるのです。

重要なのは、待遇の変化を前提にしたうえで「次のキャリアでどんな価値を発揮したいのか」を明確にしておくことです。

年収が下がっても、将来の役員登用を前提とした「ポテンシャル採用」として処遇してもらえる企業もあります。

編集部

転職先でのキャリアパスを面接でしっかり確認しておくことが重要です。

役員経験を活かして再就職するコツ

役員経験は、一般社員として転職する場合でも大きな強みになります。

経営視点・マネジメント経験・幅広い業界知識は、管理職や専門職ポジションで高く評価されます。

「役員経験のある管理職候補」として採用することで、即戦力かつ将来の幹部候補として期待してもらえるケースも少なくありません。

ただし、役員時代の感覚でいると「この程度の仕事は…」と感じてしまい、現場との温度差が生じることもあります。

入社後は役員としてのプライドを一時脇に置き、組織への適応を優先する姿勢が重要です。

正社員にこだわらず、複数の企業に週2〜3日関与するポートフォリオワークという選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

編集部

役員から顧問・コンサルタントとして転職するパターンも増えています。

役員転職の成功事例

実際に役員転職を成功させた方々の事例を見ることで、具体的なイメージを持ちやすくなります。

ここでは3つの代表的な転職パターンを紹介します。

役員転職の成功事例

取締役からベンチャーCOOへの転職

日系製造業で取締役CFOを務めていた50代前半の男性が、地方のITスタートアップベンチャーの取締役に転職した事例です。

業種職種年収
転職前日系製造業取締役CFO1,400万円
転職後ITスタートアップベンチャー取締役1,000万円
出典:JAC Recruitment 転職成功事例

前職で上場準備を主導した経験を持つこの人は、後任が育つにつれ「もう一度小さな組織からチャレンジしたい」という思いを抱くようになりました。

年収は400万円ダウンとなりましたが、社長を含む全役員と直接会う機会を経て、人柄・考え方・社風に深く共感できたことが入社の決め手となっています。

報酬より「自分のスキルを活かせる環境」を優先した転職の好例といえるでしょう。

この事例では、JACからの「親身な面談・複数の求人紹介・面接同席」という手厚いサポートが転職成功につながっています。

編集部

役員転職では、エージェントの質が結果を大きく左右します。

CFOからCFOへのキャリアアップ転職

上場ベンチャー企業のCFOを務めていた50代前半の男性が、プライム上場企業のCFOに転職した事例です。

業種職種年収
転職前上場ベンチャー企業CFO2,000万円前後
転職後プライム上場企業CFO1,500万円前後
出典:JAC Recruitment 転職成功事例|50代の転職成功事例

銀行・ベンチャーキャピタル・上場ベンチャーCFOと多彩な経歴を持つこの人は、M&A施策を一手に担った経験を持っていました。

「次は成長フェーズを支えたい」という思いから転職を決意し、M&A実績を高く評価する企業向けサービス会社への転職を実現しています。

転職先の社長との直接対話の機会を設けてもらえたことが、入社への最後の後押しになったとのことです。

CFO同士の転職でも「誰と働くか」という視点が重要なことを示す事例といえます。

CFOやCOOなど機能別の役員ポジションへの転職は、財務・法務・ITなど特定の専門性が直接評価されやすいです。

編集部

自身の専門領域を求めている企業を効率よく探すために、専門特化型のエージェント活用が有効です。

役員から中小企業の代表候補への転職

大手製造業メーカーで取締役を務めていた64歳の男性が、中小食品メーカーの製造部顧問として転職した事例です。

役員定年を視野に入れ転職活動を始めたものの、年齢がネックとなり書類選考を通過できない状況が続きました。

その後、JACのコンサルタントから紹介を受けた中小食品メーカーが、生産管理・設備保全の専門人材を求めていたことが転機になります。

入社後は前職での工場増築費用の40%圧縮の経験を活かし、入社半年で数千万円単位の利益向上に貢献しています。

この事例は「年齢や役職より、課題解決できる専門性こそが評価される」という役員転職の本質を示しています。

60代の役員転職は年齢がネックになりやすいですが、「自社の課題をまさに解決できる人材」として出会える企業は確実に存在します。

出典:JAC Recruitment 転職成功事例|60代の転職成功事例

編集部

数を打つより、自分の強みとニーズが合致する企業を絞り込んで丁寧にアプローチすることが成功の近道です。

役員転職におすすめの転職エージェント

役員転職では、ハイクラス求人に強い転職エージェントの活用が成功のポイントです。

ここでは、役員・管理職クラスの転職支援に実績のある2つのエージェントを紹介します。

役員転職におすすめの転職エージェント

JACリクルートメント|30代・ミドルの転職に強い

JACリクルートメント
JACリクルートメントの特徴
  • 管理職・役員クラスのハイクラス転職に特化
  • 業界・職種に精通した専門コンサルタントが担当
  • 面接対策・同席サポートなど手厚いサービス体制

JACリクルートメントは、管理職・スペシャリスト・役員クラスのハイクラス転職支援に強みを持つ転職エージェントです。

業界・領域に精通した専門コンサルタントが担当するため、求職者のキャリアを深く理解したうえで求人を紹介してもらえます。

役員転職の成功事例でも紹介したように、面接対策から同席サポートまで一貫してサポートしてくれるため、転職活動の不安が大きい人にも心強い存在といえるでしょう。

編集部

30代〜50代のミドル・ハイクラス人材の転職実績が豊富で、役員ポジションを含む非公開求人へのアクセスも期待できます。

概要
サービス名JACリクルートメント
運営会社株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント
ハイクラス向けの求人数28,524件
対応地域全国
公式サイトhttps://www.jac-recruitment.jp/
※2026年3月時点

ASSIGN|20代で年収を上げたい人向けの転職エージェント

ASSIGN
ASIGNの特徴
  • 20〜30代の若手ハイクラス転職に強み
  • 成長企業・ベンチャーへの転職支援実績が豊富
  • 年収アップを目指すキャリア設計サポートが充実

ASIGNは、20代〜30代の若手ハイクラス転職に特化した転職エージェントです。

執行役員や管理職から役員ポジションへのステップアップを目指す若手の人にとって、成長企業・ベンチャーへの豊富なコネクションは大きな強みとなります。

単なる転職支援にとどまらず、長期的なキャリア設計の観点からサポートしてもらえる点も特徴的ですね。

「若手のうちから役員クラスのキャリアを歩みたい」という人には、ASIGNへの相談を最初のステップとしてみてはいかがでしょうか。

概要
サービス名ASSIGN(アサイン)
運営会社株式会社アサイン
ハイクラス向けの求人数非公開
対応地域非公開
公式サイトhttps://assign-inc.com/agent/
※2026年3月時点

役員転職に関してよくある質問

役員転職を検討している人から多く寄せられる疑問をまとめました。

役員転職の活動期間はどれくらいかかる?

役員転職は一般社員の転職と比べて長期化する傾向があり、平均的に6か月〜1年程度かかることが多いです。

転職先での取締役選任に株主総会の決議が必要な場合は、内定から就任まで数か月かかるケースもあります。

任期満了のタイミングを逆算して、早めに活動を開始することをおすすめします。

中途採用の役員面接で落ちる確率は?

役員クラスの選考通過率は一般社員より低く、企業によっては数十倍の競争率になるケースもあります。

スキルや実績だけでなく、企業文化との相性・経営陣との人間的な相性も選考に大きく影響します。

面接対策に十分な時間をかけ、ハイクラス専門エージェントのサポートを活用することで通過率を高めることができます。

役員は会社を途中で辞められる?

法律上、任期途中でも役員は辞任できます

ただし、取締役が欠員となる場合は後任が選任されるまで権利義務が続く場合があります。

円満退職のためにも、任期満了のタイミングに合わせた退任が望ましいでしょう。

同業他社への転職は何年間制限される?

競業避止義務の有効期間は一般的に退職後1〜2年程度とされることが多いです。

ただし、期間・対象範囲・代償措置の有無によって有効性の判断が異なります。

内容に疑問を感じる場合は、弁護士に確認することをおすすめします。

まとめ

役員転職は、公開求人の少なさ・高い選考ハードル・手続きの複雑さなど、一般社員の転職とは異なる難しさがあります。

とはいえ、適切な準備と戦略を持って臨めば、これまでのキャリアを最大限に活かした転職は十分に実現できます。

転職を成功させるために特に重要なのは、自分の市場価値を客観的に把握すること、年収・ポジションへのこだわりを柔軟に整理すること、そして企業風土との相性を重視して転職先を選ぶことの3点です。

また、競業避止義務への対応や任期満了タイミングでの円満退職を意識することも、転職後のキャリアをスムーズに進めるうえで欠かせません。

役員転職では、ハイクラス求人に精通した転職エージェントのサポートが転職の成否を大きく左右します。

編集部

JACリクルートメントやASSIGNに早めに相談し、非公開求人の情報収集から動き始めてみてください。

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法人番号 6011001157541(国税庁)
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