【2025年最新版】ファーストリテイリングの平均年収は1,179万円！同業他社との比較や年代別・役職別年収を解説

株式会社ファーストリテイリングは、ユニクロやジーユーなどのブランドを展開する世界的なアパレル企業です。

同社の平均年収は約1,179万円と、小売業界では突出して高い水準にあります。

LifeWear（究極の普段着）というコンセプトのもと、世界中で事業を展開しています。

本記事では、ファーストリテイリングの平均年収や年代別・役職別の年収、同業他社との比較についてまとめました。

本記事の要点はこちら

ファーストリテイリングの平均年収は1,179万円｜同業他社との比較

ファーストリテイリングの平均年収は1,179万円であり、業界内でも高い水準にあります。

小売業界全体の平均年収と比較すると、約2倍以上の水準となっています。

ファーストリテイリングと他社の年収を比較

ファーストリテイリングの年収水準を、同業他社と比較してみましょう。

企業名	平均年収	平均年齢	平均勤続年数	データソース
ファーストリテイリング	1,179万円	38.6歳	5.5年	有価証券報告書
良品計画	670万円	36.9歳	7.5年	有価証券報告書
アダストリア	453万円	33.3歳	7年	有価証券報告書
ユナイテッドアローズ	481万円	35.5歳	9.9年	有価証券報告書

ファーストリテイリングの平均年収は、同業他社と比較して圧倒的に高い水準です。

ファーストリテイリングはグローバル展開を積極的に行い、世界規模での事業拡大を実現していることが高い年収につながっています。

また、持株会社の数値であるため、経営企画や財務、マーケティングなど高度な専門性を持つ本部社員が中心となっていることも、高年収につながっています。

ファーストリテイリングにおける給与体系｜年代別・役職別の年収は？

ファーストリテイリングの給与体系は、完全実力主義を基本としています。

グレード制度を採用しており、グレードごとに基本給が設定されています。

また、年2回の賞与と年1回の決算賞与があり、半期ごとの評価によって賞与額が決まります。

ここでは、年代別・役職別の年収について解説します。

役職別の年収

ファーストリテイリングでは、役職によって年収が大きく異なります。

OpenWorkのデータによると、管理職の平均年収は1,048万円です。

エンジニア・SE職は1,020万円、IT職は1,017万円と、専門職も高い水準にあります。

また、店舗運営を担う営業職は650万円、販売職は383万円です。

店舗でキャリアをスタートし、店長を経て本部のマネジメント職に昇格すると、年収が大幅に上昇する仕組みとなっています。

年代別の年収

ファーストリテイリングの年代別年収を見てみましょう。

年齢	平均年収	年収レンジ
25歳	482万円	308～755万円
30歳	687万円	439～1,077万円
35歳	819万円	523～1,283万円
40歳	909万円	580～1,424万円
45歳	999万円	637～1,565万円
50歳	1,105万円	705～1,731万円

25歳から30歳にかけての伸びが最も大きく、約205万円の増加が見られます。

30歳で600万円を超え、35歳で800万円、50歳で1,000万円を超える水準です。

年収レンジの幅が広いのは、同じ年齢でもグレードや役職によって年収が大きく異なるためです。

残業代

ファーストリテイリングでは、Sグレードまでは残業代が1分単位で支給されます。

Mグレード（マネージャーランク）以上になると、残業代は支給されず、代わりに役職手当が付きます。

店舗勤務の場合、繁忙期には残業が増える傾向がありますが、閑散期は人件費削減のため残業を抑制する運用も行われているでしょう。

残業代は1分単位で出る。繁忙期は残業代の稼ぎ時だが閑散期はとにかく人件費の無駄を出さないように店舗も必死なので稼げない。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜総合職、在籍3年未満、女性

また、本部勤務では、部署やプロジェクトによって残業時間に差があります。

賞与（ボーナス）

ファーストリテイリングの賞与は、年2回（4月・10月）支給されます。

半期ごとの評価によって賞与額が決まり、評価は5段階で行われます。

最高評価を獲得すると、年間で基本給の数ヶ月分に相当する賞与が支給されるでしょう。

年末のボーナスは成果と業績の連動で決まり、評価そのものは非常に公平性が担保されているといえる。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜リーダー、在籍3年未満、男性

10月には通常の賞与に加えて決算賞与が支給されますが、一定グレード以上はストックオプションでの支給となります。

決算賞与を含めると、年間で300万円以上の賞与を得ることも可能です。

各種手当

ファーストリテイリングの手当は、属人的なものはほとんどありません。

東京本部勤務の場合、地域手当として月10万円が支給されます。

リーダー職（課長相当）には役職手当6万円、部長職には10万円が支給されます。

一定グレード以上になると、通勤交通費の支給もなくなるでしょう。

住宅手当や家族手当、退職金制度はなく、福利厚生面では他の大手企業と比べてシンプルな構成です。

男女の年収差

ファーストリテイリングでは、男女で同一のグレード制度と賃金体系を適用しています。

性別による賃金差異はありませんが、統計上は男女間で賃金差が生じています。

有価証券報告書によると、全労働者の男女賃金差異は61.6%です。

男女の賃金差は店舗運営を支える地域正社員に女性が多いことや、管理職の高いグレードに女性の人数が少ないことが要因です。

ファーストリテイリングの働き方｜残業時間・離職率・福利厚生は？

ファーストリテイリングの働き方について、残業時間や離職率、福利厚生の実態を見ていきましょう。

同社は実力主義を掲げる一方で、働きやすい環境づくりにも力を入れています。

ワークライフバランスを重視する傾向が強まっており、長時間労働の是正にも取り組んでいます。

残業時間

ファーストリテイリングの平均残業時間は、月22.7時間です。

店舗勤務の場合、シーズンの繁閑によって残業時間が変動します。

繁忙期には残業が増える傾向ですが、閑散期は人件費管理のため残業を抑制する運用がなされています。

ただし、本部勤務では、部署やプロジェクトによって残業時間に差が生じるでしょう。

IT部門やマーケティング部門では、プロジェクト進行に応じて残業が増えることもありますが、全体としては適正な範囲に収まっています。

残業代は1分単位で支給されるため、サービス残業の心配はありません。

離職率・平均勤続年数

ファーストリテイリングの平均勤続年数は5年5ヶ月であり、小売業界全体と比較するとやや短い傾向です。

実力主義の評価制度のもと、成果を出せない場合や会社の方針に合わない場合に、転職を選択する人が一定数いるためです。

一方で、若手のうちに店長やマネージャーに昇格し、高年収を実現してキャリアアップしていく社員も多くいます。

具体的な離職率は公表されていませんが、実力主義の環境で成長したい人にとっては、チャレンジングで魅力的な職場といえるでしょう。

福利厚生

ファーストリテイリングの福利厚生は、他の大手企業と比べてシンプルな構成です。

退職金制度はなく、従業員が拠出する401K（確定拠出年金）のみが用意されています。

住宅手当や家族手当などの属人的な手当もありません。

一方で、社員割引制度があり、ユニクロやジーユーの商品を割引価格で購入できます。

また、全商品リサイクル活動「RE.UNIQLO」など、社会貢献活動に参加する機会も提供されています。

キャリアパス

ファーストリテイリングでは、明確なキャリアパスが用意されています。

店舗勤務からスタートし、店長を経て、スーパーバイザーやエリアマネージャーへと昇格していくルートが一般的です。

店舗での経験を積んだ後、本部の商品企画やマーケティング、経営企画などの部門に異動するキャリアもあります。

実力主義の評価制度により、年齢や社歴に関わらず、成果を出せば早期に昇格できる環境です。

ファーストリテイリングはどんな会社？｜年収が高い理由・今後の展望も解説

ファーストリテイリングは、ユニクロを中心としたグローバルアパレル企業です。

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という企業理念のもと、世界中で事業を展開しています。

ここでは、なぜファーストリテイリングの年収は高いのかや、今後の展望について解説します。

主な事業・サービス内容

項目	内容
社名	株式会社ファーストリテイリング
本社所在地	山口県山口市佐山10717番地1
従業員数	1,601人
設立	1963年5月
資本金	102億73百万円
年間収入	438,206百万円（2024年8月期）

ファーストリテイリングは、持株会社として傘下にユニクロやジーユーなどのブランドを展開しています。

主力事業は、「ユニクロ」ブランドによるカジュアル衣料品の企画・製造・販売です。

国内だけでなく、中国・韓国・東南アジア・欧米など世界中で店舗を展開しており、グローバルブランドとしての地位を確立しています。

また、ジーユーは低価格帯のカジュアルブランドとして国内外で成長を続けており、Theoryやプラステなどのグローバルブランドも展開しています。

年収が高い理由

ファーストリテイリングの年収が高い理由として、グローバル展開を積極的に行い、世界規模での高い収益性を実現していることが挙げられます。

2024年8月期の売上収益は3兆1,038億円、営業利益は5,009億円と、アパレル業界では突出した業績を誇ります。

また、完全実力主義の評価制度を採用しており、成果を出した社員には惜しみなく報酬を支払う文化も要因の1つです。

持株会社の従業員は、経営企画・財務・マーケティング・ITなど高度な専門性を持つ本部社員が中心であり、彼らの業務が会社全体の成長を支えていることも、高年収の要因です。

今後の展望

ファーストリテイリングは、2028年8月期を目途に売上収益5兆円、さらには10兆円をめざしています。

特に欧米市場での成長が期待されており、LifeWearが世界中で支持されることで、さらなる事業拡大が見込まれるでしょう。

また、サステナビリティへの取り組みも強化しており、2030年度には温室効果ガスの削減やリサイクル・リユースの推進、多様性の推進などの目標を掲げています。

デジタル化の推進にも力を入れており、アプリ会員基盤を活かしたパーソナライズされた顧客体験の提供や、需要に応じた機動的な生産・販売体制の構築を進めています。

真のグローバルブランドとして、世界中のお客様から信頼され、生活に必要不可欠な存在になることをめざす同社の成長は、今後も続いていくでしょう。

まとめ

ファーストリテイリングの平均年収は1,179万円と、小売業界では突出して高い水準です。

完全実力主義の評価制度のもと、成果を出した社員には高い報酬が支払われます。

店舗勤務からスタートし、店長を経て本部のマネジメント職に昇格すると、1,000万円を超える年収も可能です。

グローバル展開を加速し、世界規模での高い収益性を実現していることが、高年収を支える要因となっています。

一方で、福利厚生面では他の大手企業と比べてシンプルであり、退職金制度や住宅手当などはありません。

その分を給与水準の高さでカバーしており、高い報酬を得て自分でライフスタイルを設計したい人には適した環境です。