有限責任監査法人トーマツの年収は795万円！年代別・職種別の給与を徹底解説

有限責任監査法人トーマツは、世界最大級の会計事務所・コンサルティングファームとして知られるグローバル企業です。

監査・税務・コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリーサービスなど、幅広いプロフェッショナルサービスを提供し、日本における4大監査法人の一角を担っています。

本記事では、有限責任監査法人トーマツの平均年収を紹介します。

また、有限責任監査法人トーマツの年代別・役職別の年収や、中途採用の難易度についても解説します。

本記事の要点はこちら

有限責任監査法人トーマツの平均年収は795万円

OpenWorkの調査によると、有限責任監査法人トーマツの平均年収は795万円となっています。

この数字は正社員888人の回答を基に算出されており、平均年齢32歳のデータです。

監査法人・税理士法人・法律事務所業界の平均年収732万円と比較すると63万円高く、業界内でも高い水準にあることが分かります。

有限責任監査法人トーマツと他社の年収を比較

企業名	平均年収	業界内順位
有限責任監査法人トーマツ	795万円	3位
EY新日本有限責任監査法人	807万円	1位
あずさ監査法人	801万円	2位
PwCJapan有限責任監査法人	772万円	4位

有限責任監査法人トーマツと、BIG4監査法人の年収を比較してみましょう。

OpenWorkの情報では、有限責任監査法人トーマツの年収は業界で3位となりました。

とはいえ、全体的に年収に大きな差はありません。

有限責任監査法人トーマツにおける給与体系｜年代・職種・役職別の年収は？

有限責任監査法人トーマツの給与体系は、年代や役職によって明確に区分されており、能力と経験に応じた適切な評価制度が確立されています。

同社では基本給与に加えて、各種手当や賞与制度が充実しており、総合的な報酬パッケージが提供されています。

職種別の年収

職種	平均年収	推定年収幅
監査	808万円	450万円～2000万円
コンサルタント	824万円	470万円～1400万円
アドバイザリー	805万円	420万円～1600万円
スタッフ	638万円	250万円～1000万円
会計士	822万円	500万円～1250万円

有限責任監査法人トーマツの職種別年収を見ると、コンサルタントが824万円で最も高く、続いて会計士が822万円、監査職が808万円となっています。

OpenWorkの口コミによると、マネージャー職で1052万円を得ている方もおり、高い専門性を持つ人材には相応の報酬が支払われているようです。

また、最も高い年収を得ているマネージャー職と最も低いスタッフ職では約400万円の差があり、経験や能力による差が明確に反映された給与体系となっているでしょう。

役職別の年収

職種	平均年収	年次イメージ
スタッフ	300～700万円	1～5年目
シニアスタッフ	800～1,000万円	5～8年目
マネージャー	1,000～2,000万円	8～10年目
シニアマネージャー	1,200～1,600万円	10～15年目
パートナー	1,600～2,000万円	評価次第

役職別の年収では、マネージャー以上になると年収1,000万円に到達する方が多いようです。

8年目以上が目安なので、昇進が早い方では30代前半で年収1,000万円を突破する方もいるでしょう。

マネージャーにあがると賞与込みで1000万円程度。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜会計士、在籍5～10年、男性

年代別の年収

年齢	推定年収	推定年収幅
25歳	621万円	435万円～887万円
30歳	735万円	515万円～1050万円
35歳	832万円	582万円～1187万円
40歳	888万円	622万円～1268万円
45歳	910万円	636万円～1300万円
50歳	932万円	653万円～1330万円

有限責任監査法人トーマツの年代別年収推移を見ると、30歳までに700万円台に到達し、その後も順調に上昇していく傾向が見られます。

特に30歳前後の年収の伸び率が顕著で、この時期にコンサルタントとしての経験を積み、専門性を高めることで年収アップが期待できるでしょう。

残業代

有限責任監査法人トーマツの残業代制度について、OpenWorkの口コミを参考に見ていきましょう。

口コミによると、シニアスタッフ以下では残業代がしっかり支払われるとのことです。

一方、管理職は残業代がない分、賞与が手厚いといった意見がありました。

シニアスタッフまでは一般企業と比べてもかなり給与面はよい。特に基本給はそこまで高くないが、残業代がフルで出るため繁忙期は基本給の倍程度の金額がもらえる。
ただし、賞与は基本的に4ヶ月程度であり大量にもらうことは難しい。また、福利厚生面はほぼなく給料以外の手当はない。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜監査、在籍5～10年、男性

管理職は残業代が無い分、賞与が相応に手厚い。個人的には報酬には不満はなかった。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜マネージャー、在籍10～15年、男性

賞与（ボーナス）

有限責任監査法人トーマツの賞与制度は、年3回（6月、9月および12月）の支給が基本となっています。

昇格については年1回能力査定によって決定される仕組みとなっており、個人の成果と能力が適切に評価される制度が整備されています。

OpenWorkの年収内訳データを見ると、基本給が64%、残業代が15%、賞与が20%という構成になっており、賞与の占める割合も相応に高いことが分かります。

また、年収のモデルケースとして、30歳で基本給39万円・残業代9万円・賞与147万円、40歳で基本給47万円・残業代11万円・賞与178万円といった事例が示されているでしょう。

賞与：6,9,12月の3回に分けて支給される。6月と12月は基本給(手当>除く)1ヶ月分、9月は業績に応じて支給される。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜アナリスト、在籍3年未満、男性

賞与は年3回、6月と12月は固定額だが、9月は評価が反映される仕組みであった。昇給は年1回9月に行われていた。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜リスクアドバイザリー、在籍3年未満、女性

各種手当

有限責任監査法人トーマツでは、基本給与に加えて充実した手当制度が用意されています。

時間外勤務手当、休日出勤手当、深夜勤務手当、通勤手当、出張手当などの基本的な手当に加え、各種クラブ活動補助も提供されています。

生涯医療サポートとして不妊治療・卵子凍結等の支援や、産前講座、産後ケア教室、不妊治療休暇制度、配偶者帯同休職制度なども整備されており、働く環境に配慮した制度が充実しています。

その他にも、実務補習所費用の支援や公認会計士協会登録費用・年会費の全額法人負担など、資格取得や専門性向上に関する支援もあります。

男女の年収差

有限責任監査法人トーマツにおける男女の年収差については、具体的な統計データは公開されていませんが、OpenWorkの口コミからいくつかの傾向が見えてきます。

同社では女性活躍推進に積極的に取り組んでおり、Diversity, Equity & Inclusionの理念のもと、性別に関わらず公平な評価制度の構築に努めています。

特に監査・コンサルティング業界においては専門性と成果が重視される傾向があり、性別よりも個人の能力や実績が評価の主要な要因となっているようです。

また、前述の充実した福利厚生制度により、女性が長期的にキャリアを継続しやすい環境が整備されており、結果として男女間の年収格差の縮小に寄与していると考えられるでしょう。

口コミでは、性別に問わず実力が評価されるけれど、子育てと両立している女性は少ないといった意見がありました。

男女問わず実力があればしっかり評価される環境が整っていると思います。一方で、仕事が忙しいこともあり、子育てと両立しながら働いている女性の方は少ない印象です。

引用：Openwork｜女性の働きやすさ｜コンサルタント、在籍3～5年、女性

一方、「女性が働きやすい職場」との声も多いため、部署によって環境が異なる可能性があります。

オペレーターはほぼ女性ばかりで構成されており、育児中の方も多いので突発的なお休み等取りやすく、その点ではとても働きやすい環境だと思います。やる気がある方はSVやCSVなどへの道もあり活躍の場もあります。反面、とても忙しく業務スピードが早いので合う合わないが顕著に出る職場だと思いました。実際、長く勤めている方もいますが短期離職する方も一定数いらっしゃいました。

引用：Openwork｜女性の働きやすさ｜オペレーター、在籍3年未満、女性

有限責任監査法人トーマツの働き方｜残業時間・離職率・福利厚生は？

有限責任監査法人トーマツの働き方について、残業時間や離職率、福利厚生制度など、働く環境の実態を詳しく見ていきましょう。

プロフェッショナルサービス業界特有の働き方がある一方で、近年はワークライフバランスの改善にも力を入れています。

残業時間

項目	時間数
残業時間（月間）	40.8時間
有給休暇消化率	58.4%

有限責任監査法人トーマツの月間残業時間は40.8時間となっており、プロフェッショナルサービス業界としては標準的な水準です。

OpenWorkの口コミによると、評価次第で昇格もできるが結構な残業が必要なため、同じ時間で待遇を得るモチベーションがないという声もありました。

また、同じ時間で効率的に成果を残している人が評価される風潮があるとのことです。

有給休暇消化率は58.4%と、改善の余地はありますが、業界全体の傾向を考慮すると一定の水準は保たれているといえるでしょう。

監査法人での仕事の繁忙期は、三月決算を監査する4月から6月になります。繁忙期にあたる4月から6月は、残業時間が普通に60時間を超えます。ただし、残業代はしっかり支払われるのでお金面では潤います。4月から6月のワークライフバランスは望み薄です。ワークワークワークです。でも、この期間だけ特別に忙しいので、ワークライフバランス重視であっても耐え忍ぶことはできると思います。
そのほかの時期は、忙しい時もありますが、比較的自由に休みが取れます。計画的に休暇を取得できる環境です。忙しい時期とメリハリをつけて働きたい人には良いところだと思います。

引用：Openwork｜ワークライフバランス｜監査、在籍3～5年、男性

離職率・平均勤続年数

有限責任監査法人トーマツの離職率や平均勤続年数に関する具体的な数値データは公開されていませんが、プロフェッショナルサービス業界の特性を反映した傾向が見られます。

OpenWorkの口コミによると、コンサル部門は経験を積み分野での知識・ノウハウを習得した後に独立や転職を選択する人も多く、一定の人材流動性があることが窺えます。

一方で、監査部門などでは公認会計士として長期的にキャリアを積む人も多く、部門によって勤続傾向に違いがあるようです。

同社では人材の定着を図るため、キャリア開発支援や福利厚生の充実に努めています。

福利厚生

制度分類	内容
社会保険	健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険
各種手当	時間外勤務手当、休日出勤手当、深夜勤務手当、通勤手当、出張手当など
保険制度	生命保険（総合福利団体定期保険）、有限責任監査法人トーマツ確定拠出年金、iDeCo（個人型確定拠出年金）、各種クラブ活動補助
医療サポート	生涯医療サポート（不妊治療・卵子凍結等）、産前講座、産後ケア教室、不妊治療休暇制度、配偶者帯同休職制度
専門資格支援	実務補習所費用、公認会計士協会登録費用・年会費の全額法人負担、公認会計士開業登録連絡費用（修了考査対策費用等）

有限責任監査法人トーマツの福利厚生制度は、生涯医療サポートや専門資格取得支援など、非常に充実した内容となっています。

特に注目すべきは、不妊治療や卵子凍結等の支援、産前産後のケア教室、配偶者帯同休職制度など、ライフステージに応じた細やかなサポート体制です。

また、公認会計士の資格取得や維持に関する費用を全額法人が負担するなど、専門職としてのキャリア発展を強力にバックアップしています。

その他にも各種クラブ活動補助やiDeCo制度なども用意されており、働く人々の多様なニーズに対応した制度設計がなされているでしょう。

キャリアパス

有限責任監査法人トーマツでは、多様な働き方を実現するため、仕事と家庭の両立をサポートする制度が整備されています。

OpenWorkの口コミによると、プロジェクトの専門性によってそれぞれ上司が付けられ、評価の安定性があることが特徴です。

また、どこまで専門性を身につけて評価されるかは評価面がけっこう重要で、専門性を身につけることで昇進の道が開かれるとのことです。

年1回の能力査定による昇格制度により、個人の成長と会社の評価が連動しており、明確なキャリアパスが描けるような仕組みが構築されているでしょう。

有限責任監査法人トーマツはどんな会社？｜年収が高い理由・今後の展望も解説

有限責任監査法人トーマツの企業概要や事業内容、そして高い年収水準を支える理由について詳しく見ていきましょう。

同社がなぜ業界トップクラスの給与水準を維持できるのか、その背景にある事業の強みや将来性についても解説していきます。

主な事業・サービス内容

項目	内容
法人名	有限責任監査法人トーマツ
英名	Deloitte Touche Tohmatsu LLC
設立年月	1968年5月
資本金	1,173百万円（2024年5月末日現在）
代表者	代表執行役　大久保 孝一
人員数	8,212名（2024年5月末日現在）
拠点	〒100-8360　東京都千代田区丸の内3-2-3　丸の内二重橋ビルディング

有限責任監査法人トーマツは、1968年設立の歴史ある監査法人であり、資本金1,173百万円、従業員数8,212名を擁する大規模な組織です。

「デロイト トーマツ グループ」の中核を担う日本の大手監査法人で、以下のような事業を展開しています。

• 監査・保証業務（Audit & Assurance）
• 会計アドバイザリーサービス（Accounting Advisory Services）
• 内部統制・ガバナンス支援
• サステナビリティ・ESG関連サービス

このほか、グループ内の他法人（トーマツコンサルティング、トーマツベンチャーサポートなど）と連携し、コンサルティングやスタートアップ支援なども幅広く展開しています。

年収が高い理由

有限責任監査法人トーマツの年収が高い理由として、まず同社の市場における圧倒的な地位が挙げられます。

世界最大級のプロフェッショナルサービスファームであるデロイトグループの一員として、高品質なサービスを提供し続けていることが、高い収益性を支えています。

また、公認会計士や税理士といった高度な専門資格を持つ人材が多数在籍しており、これらの専門性に対する適切な対価が支払われていることも要因の一つです。

さらに、東京都心部に本社を構え、大企業や上場企業を主要クライアントとするビジネスモデルにより、高い付加価値を創出し続けていることが高年収を実現する基盤となっているでしょう。

今後の展望

有限責任監査法人トーマツの今後の展望については、デジタル化の進展と共に新たなサービス領域への拡大が期待されています。

特に近年注目されているESG（環境・社会・ガバナンス）関連のコンサルティングサービスや、サイバーセキュリティ、データアナリティクスといった分野での成長が見込まれます。

また、「Quality First」のスローガンのもと、監査・保証業務における品質向上と効率化を両立させることで、競争優位性を更に高めていく方針です。

グローバルネットワークを活用した国際的な案件の拡大や、中小企業向けサービスの充実により、事業基盤の拡大と安定した成長を目指していくことが予想されるでしょう。

まとめ

有限責任監査法人トーマツの平均年収は795万円と、監査法人・税理士法人・法律事務所業界の平均732万円を63万円上回る高い水準にあります。

年代別では25歳で621万円、40歳で888万円と、年齢に応じて順調な年収アップが期待でき、特に30歳前後での伸び率が顕著です。

職種別ではコンサルタントが824万円で最も高く、会計士822万円、監査808万円と、いずれも800万円台の高い年収水準を実現しています。

働き方については月間残業時間40.8時間、有給消化率58.4%となっており、プロフェッショナルサービス業界としては標準的な水準といえるでしょう。

福利厚生面では、生涯医療サポートや専門資格取得支援、各種手当制度が充実しており、特に公認会計士の資格維持費用を全額法人負担するなど、専門職へのサポート体制が手厚く整備されています。

有限責任監査法人トーマツが高い年収水準を維持できる理由は、世界最大級のプロフェッショナルサービスファームとしての市場地位、高度な専門性を持つ人材の価値、そして大企業・上場企業を主要クライアントとする高付加価値ビジネスモデルにあります。

今後もESG関連サービスやデジタル化対応など新領域への展開により、安定した成長と高い給与水準の維持が期待されるでしょう。

有限責任監査法人トーマツへは、高い専門性が求められる一方で、それに見合った報酬と成長機会が提供される魅力的な職場環境です。