ベイン・アンド・カンパニーは、世界トップクラスの戦略コンサルティングファームとして知られ、高い年収水準を誇る企業です。
しかし、実際の年収はどの程度で、他社と比べるとどうなのか、詳細な情報を把握している方は少ないでしょう。
本記事ではベイン・アンド・カンパニーの平均年収や役職別・年代別の収入、他の外資系コンサルティングファームとの比較などをご紹介します。

戦略系コンサルティング業界やベイン・アンド・カンパニーでのキャリア形成を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
本記事の要点はこちら
ベイン・アンド・カンパニーの平均年収は?
ベイン・アンド・カンパニーは上場企業ではないため、有価証券報告書による平均年収の公表を行っておりません。
しかし、口コミサイト「openwork」の情報によると、ベイン・アンド・カンパニーの平均年収は1,321万円とされています。
アンケート回答者の年収の範囲は、500〜3,500万円と幅広く、経験や実力次第で大きく変動することが伺えます。
特にコンサルタント職は、成果やポジションに応じてインセンティブが支給されるため、高収入を得るチャンスも多いようです。
ベイン・アンド・カンパニーの年代別年収は?
openworkによると、ベイン・アンド・カンパニーの年代別の平均年収は、以下のとおりです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
25歳 | 885万円 |
30歳 | 1,204万円 |
35歳 | 1,677万円 |
結果主義のベイン・アンド・カンパニーは年齢とともに、平均年収も高くなる傾向にあります。
ベイン・アンド・カンパニーの中途採用率は?
ベイン・アンド・カンパニーは、中途採用率を公表していません。
しかし、ベイン・アンド・カンパニーは、中途採用向けの求人を出しており、中途採用候補者向けのキャリアセミナーや選考会を開催しています。
以上から、中途採用を積極的に行っています。
戦略コンサルティングに興味がある方は、ベイン・アンド・カンパニーに転職するチャンスが十分にあります。
ベイン・アンド・カンパニーの平均年収は1,321万円
openworkによると、ベイン・アンド・カンパニーの平均年収は1,321万円と高水準です。
アンケート回答者の年収範囲は幅広く、500〜3,500万円となっています。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、国内の全給与所得者の平均年収は以下のとおりです。
年度 | 全給与所得者の平均年収 |
---|---|
2023年度 | 460万円 |
2022年度 | 458万円 |
2021年度 | 443万円 |



比較すると、ベイン・アンド・カンパニーの平均年収は国内平均の約2.8倍もあり、高年収であることがわかります。
ベイン・アンド・カンパニーと他社の年収を比較
この章では、ベイン・アンド・カンパニーと、その他の外資系戦略コンサルティングファームの平均年収を比較してみましょう。
企業名 | 平均年収 | 引用元 |
---|---|---|
ボストン・コンサルティング・グループ | 1,545万円 | openwork |
A.T.カーニー | 1,371万円 | openwork |
ローランド・ベルガー | 1,325万円 | openwork |
ベイン・アンド・カンパニー | 1,321万円 | openwork |
マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1,318万円 | openwork |
PwCコンサルティング | 985万円 | openwork |
デロイトトーマツコンサルティング | 952万円 | openwork |
アクセンチュア | 868万円 | openwork |
ベイン・アンド・カンパニーの平均年収は、外資系戦略コンサルティングファームの中では上位グループに位置しています。
しかし、ボストン・コンサルティング・グループやA.T.カーニーなど一部の企業と比べると、やや控えめな水準です。



とはいえ、いずれの企業も平均年収が高く、他業界と比べても水準の高さが際立っています。
ベイン・アンド・カンパニーにおける給与体系|役職別・年代別の年収は?
ベイン・アンド・カンパニーの給与体系は、年俸制です。
職位に応じた基本給をベースに、評価に応じてボーナスが増減する仕組みです。
結果に着目した評価制度で、グローバルで統一された指針があるため、正当に評価してもらえる環境です。
絶対評価のため、「役職が空いていないので昇格できない」といったことがありません。



次は、役職別・年代別の年収を見ていきましょう。
ベイン・アンド・カンパニーの役職別の年収
ベイン・アンド・カンパニーのコンサルタントには、以下のような役職があります。
- アソシエイトコンサルタント
- シニアアソシエイトコンサルタント
- コンサルタント
- マネージャー
- シニアマネージャー
- アソシエイトパートナー
- パートナー
役職ごとの年収イメージは、以下の表のとおりです。
役職(グレード) | 年収イメージ | 年次イメージ |
---|---|---|
アソシエイトコンサルタント | 650〜900万円 | 1〜3年目 |
シニアアソシエイトコンサルタント | 900万円〜 | 3〜6年目 |
コンサルタント | 1,500万円〜 | 5〜8年目 |
マネージャー | 2,000万円〜 | 7年目〜 |
パートナー | 5,000万円〜 | 実力次第 |



実力がしっかり評価される企業なので、結果次第では入社後3年ほどで年収が1,000万円に到達する可能性があります。
給与制度は昇進するごとに上がっていくイメージ、最初は700万円ほどから始まり、マネージャーになると2,000万円以上までになる
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルティング、在籍3年未満、現職、男性
テニュアによって決まっている基本給と評価によって多少増減する賞与からなる。基本給は上がり方が早く、3〜4年目で1,000万円を超える。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルティング、在籍3〜5年、退職済み、男性
ベイン・アンド・カンパニーの年代別の年収
openworkの情報によると、ベイン・アンド・カンパニーの年代別の平均年収は以下のとおりです。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
25歳 | 885万円 |
30歳 | 1,204万円 |
35歳 | 1,677万円 |



ベイン・アンド・カンパニーは、一人ひとりの評価が給与に反映されるため、あくまでも目安となります。
給与はポジションごとに決まるので、年齢や年次や家族構成などは関係ない。同じポジションなら25歳でも33歳でも同じ。昇進すると一気に上がる。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍3年未満、退職済み、女性
新卒3年目で年俸は1,000万円を超える。2〜3年ごとに昇進のタイミングがあり、その都度300〜500万円程度年収は上がっていく。
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍3〜5年、現職、女性
ベイン・アンド・カンパニーの残業代
ベイン・アンド・カンパニーは年俸制を採用しており、残業代が基本給に含まれているため、残業代として別途支給されることはありません。



成果主義の社風のため、残業代ではなく、結果を出して年収アップしたい方に適している環境といえます。
ベイン・アンド・カンパニーの賞与(ボーナス)
ベイン・アンド・カンパニーでは、個人の評価や会社の業績に応じてボーナスの支給額が決定します。
年収に占めるボーナスの割合が高いため、評価や業績次第で年収が大きく変動することがあるでしょう。



言い方を変えれば、評価次第で大幅な年収アップも狙うことができます。
一般的な職種に比べればかなり高額であり、かつ評価が高ければボーナスが大幅に増えるという仕組みなので、満足度は高い
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍10〜15年、現職、男性
他のコンサルティングファームと比較するとベース給与が少なく、ボーナスの割合が高い
引用:openwork|年収・給与制度|コンサルタント、在籍3〜5年、退職済み、男性
ベイン・アンド・カンパニーの初任給
ベイン・アンド・カンパニーの公式サイトでは、初年度の年次基本給が以下のように記載されています。
- アソシエイトコンサルタント:112,000ドル
- コンサルタント:192,000ドル
ただし、この初任給はアメリカオフィスの給与水準である可能性が高いです。
アメリカは日本よりも物価や生活費が高く、特に都市部では家賃や医療費も高額です。
そのため、高い基本給が設定されています。



日本オフィスで採用される場合は、日本の労働市場や生活コストに合わせた給与水準が設定されているでしょう。
ベイン・アンド・カンパニーは男女で年収差はある?
ベイン・アンド・カンパニーは、性別に関係なくフェアに評価される企業です。
そのため、性別による年収の差はほとんどないと考えて良いでしょう。
公式サイトには、「性別に関わらず、自分が望むキャリアを実現できる会社でありたいと考えています」と記載されています。
女性が働きやすい環境を作るためのコミュニティ「Women at Bain (WAB)」の活動も活発です。
実際に、WABメンバーの声から以下の制度・設備が導入されています。
- 女性社員へのスポンサー制度
- 女性社員向けトレーニング
- 授乳室の設置 など



成果主義というハードな環境なので体力や気力が必要な環境ではありますが、産休・育休後も在宅勤務などを取り入れて、復帰している方も多くいます。
ベイン・アンド・カンパニーの働き方|残業時間・離職率・福利厚生は?
ここでは、ベイン・アンド・カンパニーの残業時間や離職率、福利厚生などの働き方に関する情報をご紹介します。
ベイン・アンド・カンパニーの残業時間
openworkの情報によると、ベイン・アンド・カンパニーの月間残業時間は72.4時間となっています。
上記の数字を見ると、残業時間が長いと感じる方が多いでしょう。



しかし、ベイン・アンド・カンパニーは労務管理への意識が高く、勤務時間が長くなりすぎないように、調整できるようになっているようです。
サラブレの管理への意識が高く、長く働いた期間があった場合、その分は他の期間で休むことができるようなシステムになっています(特に若手の場合)。
引用:openwork|ワークライフバランス|アソシエイトコンサルタント、在籍3年未満、現職、男性
若手の労務管理も極めて厳格で、一定の残業時間を超えるとプロジェクト中でも代休(Comp off)がとれる仕組み。
引用:openwork|ワークライフバランス|コンサルタント、在籍3〜5年、退社済み、男性
ベイン・アンド・カンパニーの離職率・平均勤続年数
ベイン・アンド・カンパニーの離職率や勤続年数は、公表されていません。
一概には言えませんが、コンサル業界の平均勤続年数は3〜6年と言われることが多く、他の業界と比較すると短くなっています。
勤続年数が短い理由の一つに、「UP or OUT」という考え方があります。
短期間で成果を出して昇進できなければ、辞めることになる風潮です。



そのため、転職を通じてキャリアアップするのが一般的で、結果的に勤続年数が短くなりやすくなっています。
ベイン・アンド・カンパニーの福利厚生
外資系のコンサルティングファームは福利厚生が少ないのが一般的ですが、ベイン・アンド・カンパニーは福利厚生が充実しているのが特徴です。
基本的な福利厚生に加えて、以下の制度があります。
福利厚生 | 内容 |
---|---|
ウェルビーイング | メンタルヘルスサポート カウンセリングサポート ウェルビーイング支援アプリ 病気休暇 |
ファイナンシャルサポート | 総合福祉団体定期保険 所得補償保険 確定給付年金 社宅制度 |
フレキシビリティ | 年次有給休暇 育児・介護休業 パーソナル休暇制度 パートタイムへの変更 リスキル休暇 テイク・ツー休暇(個人目標達成のために最大2ヶ月取得可能な休暇) |
キャリアサポート | ニーズに応じたトレーニング コーチングやキャリアアドバイス B.E.S.T.ワークチーム DEI・アライシップ研修 エクスターンシップ(他の企業に半年間就労できる) トランスファー制度(期間限定で海外オフィスに勤務できる) |
その他 | 食事代支給 タクシー代支給 |
実力主義のコンサルティングファームなのでハードワークなのは確かですが、業界の中でもワークライフバランスがとれた企業です。



Glassdoorの「2025年働きがいのある会社ベスト100」では、No.1に選ばれています。
ベイン・アンド・カンパニーのキャリアパス
ベイン・アンド・カンパニーは、一人ひとりの希望に応じて多様なキャリアを築ける社風です。
例えば、幅広く経営全般の基礎を身につけて、戦略コンサルタントポジションとしてキャリアを築きたい場合は、以下のとおりです。
- アソシエイト・コンサルタント・インターン
- アソシエイト・コンサルタント
- シニア・アソシエイト・コンサルタント
- コンサルタント
- マネージャー
- シニア・マネージャー
- アソシエイト・パートナー
- パートナー
中途入社の場合は、まずはアソシエイト・コンサルタント〜コンサルタントポジションとして入社することになります。
実務経験が10年以上ある場合は、マネージャーやシニアマネージャーポジションで応募することも可能です。
また、専門分野の深い知識をクライアントに提供するクライアント・デリバリー・エキスパートとしてキャリアを築く場合は、以下のとおりです。
- アソシエイト
- シニアアソシエイト
- リード(またはコンサルタント)
- エキスパートマネージャー
- エキスパートシニアマネージャー
- エキスパートアソシエイトパートナー
- エキスパートパートナー
ベイン・アンド・カンパニーには、マーケティングやファイナンス、アナリティクスなどのチームとして会社を支えるキャリアもあります。
- アシスタント
- アソシエイト
- コーディネーター
- スペシャリストまたはアナリスト
- シニアスペシャリスト/シニアアナリスト
- マネージャー/リードマネージャー
- シニアマネージャー
- ディレクター
- シニアディレクター



職種によって期待値や目標はさまざまですが、自分の志向に合わせてキャリアを築いていけます。
ベイン・アンド・カンパニーはどんな会社?|年収が高い理由・今後の展望も解説
ベイン・アンド・カンパニーは、1973年にアメリカで始まった世界的なコンサルティングファームです。
「クライアントの成功がベイン自身の成功」という考え方で仕事をしており、現在は世界40か国65の都市でビジネスを展開しています。
ベイン・アンド・カンパニーの主な事業・サービス内容
ベイン・アンド・カンパニーの主なサービス内容は、以下のとおりです。
- 全社戦略立案
- 企業トランスフォーメーション
- デジタル変革支援を中核とした包括的なコンサルティング
テクノロジーや消費財、金融サービス、ヘルスケアなど幅広い業界に対応し、戦略策定から実行まで一貫してサポートしているのが特徴です。
特にプライベート・エクイティ分野ではグローバルリーダーとして、投資案件評価から投資後の経営改善まで専門的な支援を行っています。
AI技術やデータ分析を活用したデジタルトランスフォーメーション支援にも注力し、OpenAIとの提携により最先端のAI導入支援も展開しています。
概要 | |
---|---|
会社名 | ベイン・アンド・カンパニー株式会社 |
英語名 | Bain & Company |
資本金 | – |
本社所在地 | 東京オフィス 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー37階 |
ベイン・アンド・カンパニーの年収が高い理由
ベイン・アンド・カンパニーの年収が高い理由の一つは、その卓越したサービス品質と結果主義の企業文化にあります。
同社は世界の大企業の3分の2をクライアントに持つという圧倒的な実績を誇っており、それにより高単価でのサービス提供が可能です。
クライアント企業の成長に直接貢献する高度な業務を担っているため、社員にもそれに見合った高い報酬が支払われています。



成果に応じてスピーディーに昇進できる制度が整っており、20代で年収1,000万円を超える社員も珍しくありません。
ベイン・アンド・カンパニーの今後の展望
ベイン・アンド・カンパニーは、AIや機械学習を活用したデータドリブンな支援を強化し、戦略コンサルティングの枠を超えた価値提供を目指しています。
アジア太平洋地域では、成長が著しいインドや日本を中心に投資機会を拡大し、ESG経営やグリーンテクノロジーの導入支援にも注力しています。
非営利団体へのプロボノ活動などを通じて社会課題にも積極的に取り組み、企業と社会の持続可能な成長を支援しています。



こうした取り組みにより、コンサルティング業界のリーダーとしての地位を維持・強化していく方針です。
まとめ
ベイン・アンド・カンパニーは、平均年収1,321万円という高水準の収入を誇る世界有数の戦略コンサルティングファームです。
国内平均年収の約2.8倍という圧倒的な水準であり、外資系戦略コンサルティングファームの中でも上位グループに位置しています。
また、ベイン・アンド・カンパニーは高年収だけでなく、充実した福利厚生制度や労務管理への配慮、性別に関係ないフェアな評価制度なども整備されています。



戦略コンサルティング業界でキャリアを築きたい方にとって、ベイン・アンド・カンパニーは収入面でも働く環境面でも魅力的な選択肢の一つといえるでしょう。
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