出光興産の平均年収は994万円！年代別・役職別年収や中途採用率は？

出光興産は、石油の輸入・精製を行う元売企業の大手です。

燃料油の調達・製造・販売の他、火力発電所の運営、太陽光・風力・バイオマス等の再生可能エネルギーの開発・運営、エチレンなどの基礎化学品の製造・販売も行っています。

本記事では、出光興産の平均年収や年代別・職種別の年収、中途採用の難易度について解説します。

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出光興産の平均年収は994万円

2025年3月期有価証券報告書によると、出光興産の平均年収は約994万円です。

上記は従業員数5,060名（単体ベース）を対象としたもので、平均年齢は42歳、平均勤続年数は17年10ヶ月というデータとともに公表されています。

日本の全産業の平均年収（約468万円）を大きく上回っており、高水準の給与体系を誇っていることが分かります。

出光興産は、石油精製・販売をはじめとする収益性の高い事業を基盤に、再生可能エネルギーや高機能材などの成長分野にも注力しています。

出光興産と他社の年収を比較

出光興産の年収水準を、同業他社と比較してみましょう。

出光興産の平均年収は約994万円であり、石油・エネルギー業界全体としても高水準に位置しています。

企業名	平均年収	参照
出光興産	約994万円	有価証券報告書
ENEOS	約1,069万円	有価証券報告書
コスモエネルギー	約1,151万円	有価証券報告書

ENEOSやコスモエネルギーと比較すると、出光興産の年収はやや控えめではあるものの、依然として国内全産業平均を大きく上回る高水準であることが分かります。

石油元売業界は装置産業としての特性上、安定した収益基盤を持つ企業が多く、従業員の年収も高めに設定されている傾向があります。

出光興産における給与体系｜年代別・役職別の年収は？

出光興産の給与体系について、年代別・職種別の詳細な年収データを見ていきましょう。

同社では職階と評価により賞与額が決まる仕組みで、年功序列的な要素と成果主義的な要素が組み合わされた評価制度が採用されています。

役職別の年収

出光興産の役職別の明確なデータはありませんが、公式サイトでは2023年度の平均給与を以下のように公表しています。

性別	役職	平均給与
男性基本給	役職者	約69万円／月
	担当職	約35万円／月
男性賞与	役職者	約539万円／年
	担当職	約259万円／年
女性基本給	役職者	約66万円／月
	担当職	約33万円／月
女性賞与	役職者	約474万円／年
	担当職	約219万円／年

このデータをもとに概算すると、役職者の年収は男性で約1,367万円、女性で約1,264万円となります。

一方で、担当職では男性が約679万円、女性が約615万円という試算になります。

このように、役職者と担当職では基本給・賞与ともに大きな差があることが分かり、昇格による年収アップのインパクトは非常に大きいのが特徴です。

ただし、飛び級のような昇格は少なく、一段階ずつしか昇格できない仕組みとなっているため、着実なキャリア形成が求められる職場であるといえるでしょう。

評価は業績と行動の2点で行われ、それぞれ賞与と給与に効いてくる。評価は基本的に一段階ずつしか上がらないような仕組みで、飛び級はしにくく、部門異動したのちも上がりにくい。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜製造、石油精製、在籍10～15年、現職 、新卒入社

その年に一生懸命に働いたとしても物凄く優秀でもない限りステップが上がることはなく基本的に年功序列な風習が続いている感じがある。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜製造技術部、エンジニア 、在籍3年未満 、現職、新卒入社、男性

年代別の年収

年齢	平均年収	年収範囲
25歳	530万円	412万円〜682万円
30歳	680万円	529万円〜875万円
35歳	815万円	634万円〜1049万円
40歳	917万円	713万円〜1,180万円
45歳	984万円	765万円〜1,266万円
50歳	1,035万円	804万円〜1,332万円

年代別年収では、40歳で900万円台、50歳で1000万円を超える水準となっています。

特に30代後半から40代にかけて年収の伸びが顕著で、管理職への昇格や責任の重い業務を担当することで大幅な年収アップが期待できるといえるでしょう。

年収の上昇カーブを見ると、石油・エネルギー業界の特徴である安定した昇給制度が反映されており、長期勤続による恩恵が大きいことが分かります。

ただし、年収範囲の幅が広いことから、同世代でも配属部署や評価によって相応の差が生じることが推測されます。

残業代

出光興産の残業代については、OpenWorkの口コミによると、人事からしっかり申告するようアナウンスがされているとのことです。

基本的にはサービス残業になることはなく、申請すれば残業代は支給される環境が整っています。

残業については上司にも夜が月20〜30時間つければ4〜6万は貰えるので、手取りも高くなる。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜営業、在籍3年未満、、新卒入社、男性

賞与（ボーナス）

出光興産の賞与は6月・12月の年2回支給されます。

2023年度の賞与支給額は、以下のとおりです。

性別	役職	平均給与
男性賞与	役職者	約539万円／年
	担当職	約259万円／年
女性賞与	役職者	約474万円／年
	担当職	約219万円／年

賞与の特徴として、良くも悪くも業績で大きな変動がないという安定性があります。

職階と評価で賞与額が決まるため、昇格がない限り大きな増加は期待できませんが、逆に業績悪化による大幅減額のリスクも低いといえるでしょう。

賞与は業績が悪くても80%は保障されている。100%支給だと5.5から6ヶ月分程度。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜機械電計、設備保全、在籍10～15年、現職 、新卒入社、男性

賞与については、会社業績に応じて支給額のベースが決まり、自身の成果に応じてベースにオントップされる金額が決まる。ただし、会社業績がどれだけ良くともベース金額の上限は決まっているため、爆発的な金額となることはない。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜生産管理、在籍5～10年、現職 、新卒入社、男性

各種手当

出光興産では、充実した各種手当制度が整備されています。

中でも住宅手当が手厚く、借り上げ社宅に住む場合、家賃の80%を会社が負担してくれます。

また、社員自身が自分で家を借りる場合は、5万円が住宅手当として支給されます。

男女の年収差

出光興産の男女賃金格差については、2023年度のデータで73.4%となっています。

これは女性の平均賃金が男性の73.4%の水準であることを示しており、まだ改善の余地があることが分かります。

同社では女性活躍推進に取り組んでおり、「えるぼし」認定を取得するなど、働きやすい環境づくりを進めています。

今後、女性の管理職登用や均等な評価制度の整備により、男女間の賃金格差の縮小が期待されるでしょう。

出光興産の働き方｜残業時間・離職率・福利厚生は？

出光興産の働き方について、残業時間や離職率、福利厚生制度の詳細を見ていきましょう。

同社では働き方改革に積極的に取り組んでおり、フレックスタイムやテレワーク制度の導入など、柔軟な働き方を支援する環境が整備されています。

残業時間

出光興産の月間残業時間は、公式データで20.1時間となっています。

業界平均と比較すると適度な水準にあり、働き方改革の取り組みが効果を示していることが分かります。

育児や介護を伴う場合は、時間外労働の免除を受けたり、1ヶ月あたり24時間までと制限したりすることも可能です。

フルリモートが可能で、子供が体調を崩した時に急に休んでも特に言われないので子育て世代はワークライフバランスが保ちやすい。

引用：OpenWork｜ワーク・ライフ・バランス｜製造技術、設備管理、係長、在籍10～15年、現職、新卒入社、男性

離職率・平均勤続年数

出光興産の2023年度の離職率は4.50%、自主退職率は2.22%となっており、業界内でも低水準です。

平均勤続年数は18.0年と長く、男性が18.3年、女性が16.6年となっています。

これらの数値は、同社の安定した経営基盤と働きやすい環境が従業員の定着率の高さに寄与していることを示しています。

福利厚生

福利厚生	内容
休暇・休職	年次有給休暇（年間最大21日） 年次有給休暇の繰り越し 自己啓発休職 ボランティア休職 ボランティア休暇 配偶者海外転勤休職 裁判員・検察審査員休暇
子育て・介護支援	産前産後休業（女性） 配偶者の出産時の特別休暇（男性） 育児休業 育児時間（女性） 子の看護のための休暇 介護休業 家族の介護のための休暇 短時間勤務 所定外労働の免除 時間外・休日労働の制限 深夜業の免除
働き方	フレックスタイム テレワーク勤務
住居支援	社宅 独身寮 住宅手当 住宅財形貯蓄　など
生活設計	積立年金保険 財形年金貯蓄 各種社会保険　など
教育制度	新入社員教育 3年目研修 メンター研修（該当者のみ） 中堅社員層・課長層・部長層研修 異業種交流研修など インクルージョン研修（発信力、傾聴力等のスキル向上） 年代別キャリアプランセミナー（自律的ライフキャリア形成ワークショップ） リーダー研修（等級別スキル習得） 実践力向上研修（等級別スキル習得） マネープランセミナー（金融リテラシー向上）など

出光興産の福利厚生は非常に充実しており、育児休業復職率100%という高い水準を実現しています。

特に注目すべきは、男性の育児休業取得率が93%と非常に高いことで、男女問わず子育てを支援する環境が整備されています。

フレックスタイム制度はコアタイムなしで運用されており、テレワーク勤務も在宅・サテライトオフィス・モバイルの3つの形態から選択可能です。

また、自己啓発休職制度（最長2年）やボランティア休職制度なども用意されており、従業員のキャリア開発や社会貢献活動も積極的に支援していることが分かります。

これらの取り組みが評価され、同社は「えるぼし」認定や「くるみん」認定を取得するなど、外部からも高い評価を受けています。

キャリアパス

出光興産では、ご本人の希望・能力・適性などをもとに配属が検討され、多様な業務・役割を担うことでキャリアを形成していく仕組みが整っています。

1部署での勤務は3〜5年程度が一般的であり、その間に得た経験や実績をもとに、次のステップへ進むキャリアパスが設計されています。

年1回の直属上司との面談などを通じてキャリアビジョンを共有しながら、計画的にキャリアを築く体制が整っており、組織としても「人を育てる」ことを重視しています。

出光興産はどんな会社？｜年収が高い理由・今後の展望も解説

出光興産の事業内容や年収水準の背景について詳しく見ていきましょう。

同社の主力事業から将来性まで、転職を検討する上で重要なポイントを解説します。

主な事業・サービス内容

項目	内容
会社名	出光興産株式会社
設立	1940年3月30日
本社所在地	東京都千代田区大手町一丁目2番1号
資本金	1,683億円
売上高	9.1兆円
上場市場	東京証券取引所プライム市場

出光興産は、石油精製・販売事業を中核とする総合エネルギー企業です。

同社の事業は「エネルギー事業」「高機能材事業」「次世代事業」の3つの事業領域で構成されています。

エネルギー事業では、原油の調達から石油製品の製造・販売まで一貫して手がけており、全国に約3,100のSS（サービスステーション）を展開しています。

高機能材事業では、潤滑油や石油化学製品の製造・販売を行い、特に高品質な潤滑油製品で国内外から高い評価を得ています。

次世代事業では、再生可能エネルギーや新素材の開発に取り組み、脱炭素社会の実現に向けた事業展開を進めているといえるでしょう。

年収が高い理由

出光興産の年収水準が高い理由として、いくつかの要因が挙げられます。

一つ目に、石油精製・販売事業という収益性の高い事業を主力としていることが大きな要因です。

エネルギー業界は社会インフラの根幹を担う重要な産業であり、安定した収益基盤を持っています。

二つ目に、同社は長年にわたって培った技術力と販売網を活かし、高付加価値製品の開発・販売に注力していることが挙げられます。

特に潤滑油事業では、独自の技術開発により差別化された製品を提供し、高い利益率を実現しています。

また、グローバル展開による収益の多様化も年収水準を支える要因の一つです。

今後の展望

出光興産は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた長期ビジョンを掲げています。

同社の「2050年のありたい姿」では、従来の石油事業から脱炭素エネルギー事業への転換を進める方針を示しています。

具体的には、再生可能エネルギー事業の拡大、水素・アンモニア事業の推進、次世代モビリティ向け事業の開発などに注力する予定です。

また、循環型社会の構築に向けて、プラスチックリサイクル事業やバイオ燃料事業の拡大も計画しています。

これらの新規事業は初期投資が必要ですが、将来的には新たな収益源として期待されており、従業員の雇用安定性や年収水準の維持にも寄与すると考えられます。

まとめ

出光興産の平均年収は約994万円と、国内全産業平均を大きく上回る高水準です。

年齢や役職に応じた着実な昇給制度が整っており、安定したキャリア形成が期待できます。

中途採用率も約45%と高く、即戦力となる専門性があれば転職のチャンスは十分です。

加えて、福利厚生や柔軟な働き方も充実しており、長く働き続けられる環境が整っています。