東京電力ホールディングスの平均年収は832万円！年代別・役職別の年収や転職難易度を解説

東京電力ホールディングスは、電力インフラ事業に強みを持つ企業です。

東京電力グループの持株会社として、原子力発電事業および原子力損害に対する賠償・除染事業を担い、安全対策にも取り組んでいます。

本記事では、東京電力ホールディングスの平均年収や年代別・役職別の年収や、中途採用の難易度を解説します。

東京電力の平均年収は832万円

東京電力ホールディングス株式会社の2023年度有価証券報告書によると、平均年収は832万4,494円、平均年齢は45.2歳です。

これは、上場企業全体の平均年収と比較しても高い水準にあります。

また、東京電力は電力インフラという社会的責任の大きい事業を担っており、その安定性や専門性の高さが、年収水準にも反映されていると考えられます。

東京電力の平均手取り年収・月収

東京電力の平均年収832万円から税金や社会保険料を差し引くと、手取りの年収は約612万円、手取りの月収は約51万円です。

東京電力に転職した場合の参考にしてみてください。

手取り計算ツール

東京電力と他社の年収を比較

企業名	平均年収	参照
東京電力	832万4,494円	2023年度有価証券報告書
中部電力	854万4,013円	2023年度有価証券報告書
関西電力	831万3,252円	2023年度有価証券報告書
九州電力	752万9,881円	2023年度有価証券報告書
四国電力	766万3,560円	2023年度有価証券報告書
北陸電力	727万5,580円	2023年度有価証券報告書
東北電力	779万5,789円	2023年度有価証券報告書
北海道電力	754万3,900円	2023年度有価証券報告書

東京電力ホールディングスの平均年収832万4,494円を同業他社と比較すると、電力業界の中では高水準に位置しています。

中でも中部電力の平均年収はと東京電力を上回っていますが、関西電力はほぼ同水準です。

一方で、九州電力、東北電力、北海道電力などと比べると、東京電力の年収は相対的に高めです。

このように、大手電力会社の中でも東京電力の年収は上位に位置していますが、企業選びでは年収だけでなく、福利厚生や働き方も含めた総合的な視点が重要です。

東京電力における給与体系｜年代別・役職別の年収は？

東京電力ホールディングスの給与体系について、詳細な年収構造や評価制度を解説していきます。

年俸制を採用している同社の特徴的な給与制度や、年代・役職による収入の違いを具体的に見ていきましょう。

役職別の年収

東京電力ホールディングスでは、基本的に年功序列の給与体系が採用されており、役職による年収の違いが明確に存在します。

社員の口コミによると、チームリーダー（係長級）で残業込みで1,000万円程度、グループマネージャー（課長級）で比較的楽な部署であれば残業なしでも1,000万円以上の年収が見込めるとのことです。

管理職になるまでは残業時間に年収が依存する傾向があり、部署によって残業への寛容度が大きく異なります。

昇進には数回連続で平均以上の評価を得ることが必要とされ、組織ごとの相対評価により配属部署によって昇進しやすさに差があるといえるでしょう。

基本的には年功序列で昇給していくが、チームリーダー、グループマネージャー等役職が付けばさらに昇給すると思われる。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜一般職、在籍3年未満、現職、新卒入社、男性

年代別の年収

東京電力ホールディングスの年代別の年収は、以下の表のとおりです。

年齢	推定年収	年収範囲
25歳	414万円	315万円～545万円
30歳	551万円	419万円～725万円
35歳	674万円	512万円～886万円
40歳	762万円	579万円～1,003万円
45歳	813万円	618万円～1,069万円
50歳	840万円	638万円～1,105万円
55歳	873万円	664万円～1,149万円

東京電力ホールディングスでは年齢に応じて着実に年収が上昇していることがわかります。

25歳で414万円、30歳で551万円と若手のうちから比較的高い水準にあり、35歳で674万円、40歳で762万円と安定した昇給カーブを描いています。

50代に入ると年収は840万円を超え、55歳では873万円に達するため、長期的なキャリアを築くことで高収入が見込める点が特徴です。

また、年収には幅があり、同じ年代でも個人の評価や配属先、役職などによって差が出る可能性があることも読み取れます。

年功序列型の給与体系が基本となっている一方で、成果や役割に応じて変動もあると考えられます。

残業代

東京電力ホールディングスでは、残業代は基本給を上回るケースもあり、部署により残業時間に大きな差があります。

2023年度実績では月平均24.3時間の残業となっており、労働基準法に関わる残業時間の管理は適切に行われています。

ただし、サービス残業が当たり前との声もあり、時間外削減を求められる一方で仕事量は削減されないという課題も指摘されています。

能率手当という制度があり、時間外数に応じて支給され、業務を効率的に行い時間外が少なければ支給される仕組みですが、45時間を超えると不支給になるとのことです。

給与は年俸制になっており、ボーナスはなく、年初に決められた額を12で割った額に残業代がプラスされる。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜研究開発職、在籍3〜5年、現職、新卒入社、男性

賞与（ボーナス）

東京電力ホールディングスでは年俸制を採用しているため、従来の賞与（ボーナス）はありません。

震災以降は賞与相当の報酬が低く抑えられており、賞与相当額を12ヶ月に分割して月給に加算する形で支給されています。

年俸は基本年俸と個人業績年俸で構成されており、個人の業績に応じて支給される部分があります。

年俸制を採用していますが、賞与相当の給与を12ヶ月に割り振っただけなので、一般的な月給+賞与で構成される年収イメージと大差はありません。震災以降は賞与相当の報酬が低く抑えられていることもあり、会社の業績による年収の変動はほぼありません。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜技術職、在籍10〜15年、現職、新卒入社、男性

初任給

東京電力の初任給は募集要項で公開されており、約23～32万円とされています。

＜2025年4月新卒初任給（月額）見込み＞
大学院博士修了：月額328,300円
大学院修士修了：月額303,400円
大学学部修了：月額278,400円
高等専門学校専攻科修了（学士）：月額278,400円
高等専門学校本科卒業：月額244,700円
短期大学卒業：月額230,100円
専門学校卒業：月額230,100円

※年俸制を採用しています。
※上記は、年俸と勤務地に応じて支給する手当で構成しており、東京圏に勤務する場合の金額です。
※初任給は変動することがあります。

引用：東京電力  募集要項

各種手当

東京電力ホールディングスの手当制度は非常に充実しており、基本年俸以外にもさまざまな手当が支給されます。

基本年俸の内訳として、以下で構成されています。

住宅関連では、独身・単身寮、家族寮があり、家賃補助制度は30歳以上で月額最大10万円以上の支給があります。

基本給＋勤務給（勤続年数分）＋ライフサイクル手当（地域手当） で構成。ライフサイクル手当には家族を持ち、配偶者または子を扶養する場合は家族手当3万円程度から追加で支給される。子の数に応じて9,000円くらい追加される（60歳まで） 。社宅は45歳まで可能。最近は原子力事故の影響で自社所有はかなり減り、戸借り社宅が多くなっている。戸借りの場合、会社が指定した不動産会社を通じて契約する。希望物件の家賃に上限があり、18万位だと対象外の場合もある。家賃は会社が8割負担となる。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜事務系、在籍15〜20年、現職、新卒入社、男性

男女の年収差

東京電力ホールディングスでは、性別による年収の差はありません。

近年は、女性が持つ力を最大限に発揮できる環境を整え、活躍を推進しています。

2022年における女性社員比率は13.2％、女性管理職比率は5.9％となっており、2008年より本格的に開始した女性活躍推進の取り組みにより、当初と比べ4.7％上昇しています。

東京電力ホールディングス単体では、女性管理職比率5.3％、女性社員比率11.6％となっており、グループ全体で2025年度末までに女性管理職比率10％を目指しています。

男性とは異なる女性の経験、感性がもたらすリーダーシップ、顧客への誠意が東京電力グループの成長の大きな力として位置づけられ、女性活躍推進法に基づく優良企業として厚生労働大臣の認定（えるぼし認定）を取得しています。

女性の場合は、うまくやれば30前で600万円以上は給料をもらえる可能性がある。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜研究、在籍5〜10年、現職、新卒入社、男性

東京電力の働き方｜残業時間・離職率・福利厚生は？

東京電力ホールディングスの働き方について、残業時間や福利厚生の実態を詳しく解説していきます。

大手インフラ企業としての安定性と、働きやすさの両面から職場環境を分析してみましょう。

残業時間

東京電力ホールディングスの残業時間は、2023年度実績で月平均24.3時間となっています。

OpenWorkの調査では26.7時間となっており、部署により残業時間に差があることが伺えます。

労働基準法に関わる残業時間の管理は、コンプライアンスの観点から比較的厳格に管理されているようです。

離職率・平均勤続年数

東京電力の離職率はESGデータ集2024 社会データにて公表されており、全体で5.5％とのことです。

厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」では、日本の平均離職率は15.4%であるため、極めて低いことがわかります。

有価証券報告書によると、東京電力ホールディングスの平均勤続年数は20年となっており、安定した雇用が特徴的です。

女性の活躍推進企業データベースによると、採用10年後の継続雇用割合は、男性69.2％、女性80％となっており、長期勤続を前提とした企業風土があります。

震災後は転職者が増加したとの声もありますが、基本的には「潰れない、潰せない企業」として安定性を求める社員が多く在籍しています。

福利厚生

福利厚生項目	内容
住宅関連	独身・単身寮 家族寮 家賃補助制度（30歳以上）
保険関連	雇用保険 労災保険 介護保険 健康保険 厚生年金保険
休暇制度	完全週休2日制 普通休暇（年20日） 結婚休暇 出産休暇 介護休暇 子の看護休暇 ボランティア休暇 リフレッシュ休暇
その他	カフェテリアプラン 各種財形貯蓄 持株会 退職金
働き方	在宅勤務（全社員対象） フレックスタイム勤務 短時間勤務

東京電力ホールディングスの福利厚生は非常に充実しており、特に住宅関連の手当が手厚いのが特徴です。

在宅勤務制度は全社員を対象としており、リモートワークを希望する社員に対応しています。

カフェテリアプランやWelboxを使った特典など、給与以外の待遇面では他企業と比べてもかなり良い水準にあるといえるでしょう。

給与に加えて、既婚者の場合は家賃補助がかなりの金額(10万円以上)出るケースがあるため、可処分所得はそれなりに大きい。

引用：OpenWork｜年収・給与制度｜総合職、在籍5〜10年、退社済み、新卒入社、男性

キャリアパス

東京電力ホールディングスのキャリアパスは、基本的に年功序列の昇進体系となっています。

2～3年毎の定期部署異動がデフォルトとなっており、さまざまな経験を積むことができる一方で、専門性を深めることは難しい環境です。

人材育成としては、「仕事こそ人を育てる（OJT）」「研修・訓練（OFF-JT）」「自己啓発』」を効果的に組み合わせた研修を実施しており、2021年度は年間延べ7,011人が参加しています。

新入社員から管理職までを対象とした広範囲な研修体系が整備されており、次世代経営人財育成、階層別研修、カイゼン教育・稼ぐ力を高める研修などを実施しています。

東京電力はどんな会社？｜年収が高い理由・今後の展望も解説

東京電力ホールディングスの事業内容や企業の特徴について詳しく解説していきます。

年収水準の背景にある事業の安定性や将来性についても分析してみましょう。

主な事業・サービス内容

項目	内容
会社名	東京電力ホールディングス株式会社
設立年月日	1951年5月1日（2016年4月1日 商号変更）
資本金	1兆4,009億円
売上高（連結）	6兆9,183億円（2023年度）
従業員数（連結）	38,121人（2023年度）
販売電力量（連結）	2,287億kWh（2023年度）
関係会社数	133社

東京電力ホールディングスは、1951年に設立された日本を代表する電力会社の持株会社です。

2016年の電力システム改革により現在の持株会社体制に移行し、東京電力フュエル&パワー、東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナー、東京電力リニューアブルパワーの各事業会社を傘下に持っています。

売上高は6兆9,183億円、従業員数は38,121人という国内最大級の規模を誇り、関東エリアを中心とした電力インフラを支えています。

原子力発電事業および原子力損害に対する賠償・除染事業を担い、安全対策への取り組みも重要な事業の一つです。

年収が高い理由

東京電力ホールディングスの年収水準が安定している理由として、電力インフラという社会基盤事業の特性があります。

電力は今後のエネルギーで最も便利でシェアが拡大していくものを扱っており、国内最大のリーディングカンパニーとしての地位があります。

「潰れない、潰せない企業」としての安定性があり、長期的な雇用を前提とした給与体系が構築されています。

今後の展望

東京電力ホールディングスの今後の展望として、柏崎刈羽原発の再稼働が最重要課題となっています。

柏崎刈羽原発を再稼働できれば、社会の信頼回復に大きく前進し、資金も余裕が出て海外をはじめ新たな挑戦を加速できると期待されています。

一方で、対象市場がまだ人口減少が進む国内中心で、成長市場である海外、特に米国やインドなど新興市場への展開が遅れていることが課題です。

まとめ

東京電力ホールディングスの平均年収は627万円となっており、電力業界では高い水準に位置しています。

特筆すべきは福利厚生の充実度で、社宅や家賃補助など住宅関連の支援が充実しているのが特徴です。

働き方については、残業時間は月平均24.3時間と適切に管理されており、在宅勤務制度も全社員を対象として導入されています。

今後の展望として、柏崎刈羽原発の再稼働が最重要課題となっており、これが実現すれば資金的余裕が生まれ、海外展開など新たな挑戦を加速できると期待されています。