【2025年最新版】三越伊勢丹の平均年収は584万円！同業他社との比較や役職別・年代別年収も解説

株式会社三越伊勢丹は、百貨店業界トップクラスの大手企業として知られています。

2008年に三越と伊勢丹が経営統合し誕生した同社は、海外にも店舗を展開しています。

金融・レストラン・アパレル・不動産・物流・人材と、幅広い事業展開が特徴的です。

本記事では、株式会社三越伊勢丹の平均年収や年代別・役職別の年収、働き方について解説します。

本記事の要点はこちら

三越伊勢丹の平均年収は584万円｜同業他社との比較

三越伊勢丹の平均年収は584万円です。

平均年齢は34歳と比較的若いため、キャリアを積みながら着実に年収を上げていける環境といえます。

三越伊勢丹と他社の年収を比較

三越伊勢丹の年収を同業他社と比較してみましょう。

企業名	平均年収	平均年齢	データソース
三越伊勢丹	584万円	34歳	OpenWork
高島屋	547万円	33歳	OpenWork
大丸松坂屋百貨店	511万円	35歳	OpenWork
そごう・西武	426万円	38歳	OpenWork
阪急阪神百貨店	476万円	39歳	OpenWork

同業他社と比較すると、三越伊勢丹の年収水準は業界内で高い位置にあることがわかります。

特に平均年齢が34歳と若いにもかかわらず、584万円を実現している点は魅力的です。

三越伊勢丹における給与体系｜年代別・役職別の年収は？

三越伊勢丹の給与体系について、年代別・役職別に詳しく見ていきましょう。

ここでは、残業代や賞与、各種手当についても詳しく解説します。

役職別の年収

三越伊勢丹では、職能資格制度と呼ばれる給与制度を採用しています。

ステージA・B・C・C-tという区分があり、それぞれのステージと役職によって年収が大きく変わります。

OpenWorkによると、ステージC-t（1年目）で年収350万円程度からスタートし、ステージC（5年目以降）で530万円程度です。

ステージB（最短7年目で昇格可能）になると年収700万円から、ステージA（最短15年目）では1,200〜1,600万円に到達します。

マネージャー職とアシスタント職では年収に300万円以上の差があるため、昇格試験に合格するかどうかが年収を大きく左右するといえるでしょう。

年代別の年収

三越伊勢丹の年代別年収は以下の通りです。

年齢	推定年収	推定範囲
25歳	352万円	229〜542万円
30歳	487万円	317〜750万円
35歳	613万円	399〜943万円
40歳	697万円	453〜1,072万円
45歳	736万円	479〜1,133万円
50歳	768万円	499〜1,181万円
55歳	868万円	564〜1,334万円

年代別に見ると、25歳から30歳にかけての伸びが最も大きく、135万円の増加が見られます。

30歳で400万円台、35歳で600万円台に到達し、その後も着実に年収が上昇していく傾向です。

特に55歳では868万円と、50歳から100万円の大幅な増加が見られます。

ただし年収レンジを見ると、同じ年齢でも最大で500万円以上の差があることがわかります。

三越伊勢丹は年功序列の要素もありますが、実力主義の側面も強く、早期にキャリアアップを実現することで高年収を目指せる環境といえるでしょう。

残業代

三越伊勢丹の残業時間は月平均10.0時間と、業界内では比較的少ない水準です。

ただし、残業代は働いた分だけ支給されるとなっていますが、実際には一定時間以上の残業申請を行う際にさまざまな手続きが発生するという口コミがあります。

建前上は「働いた分は残業つけなさい」とされているが、実際はある一定時間以上の残業申請を行う際にはさまざまな手続きが発生する。

そのため、多くの人は見せかけの残業時間におさまっていることになっている。

とは言っても、実際の労働時間・残業時間としては一般的なレベルにおさまる。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜アシスタントバイヤー、在籍3〜5年、男性

そのため、多くの社員は見せかけの残業時間におさまっている形になっています。

一方で、実際の労働時間・残業時間としては一般的なレベルに収まっているという声もあり、過度な長時間労働は求められない環境といえます。

賞与（ボーナス）

三越伊勢丹の賞与は年収全体の約25%を占め、重要な収入源となっています。

OpenWorkによると、年間で基本給の5ヶ月分程度が支給されるケースが多くなっています。

賞与の評価は半期ごとに行われ、個人の成果評価と店舗・チームの売上達成度によって決まります。

ただし、口コミでは「チーム売り上げや店舗の成績が優先され、個人の成績がダイレクトに賞与や給料に反映されることはほぼない」という声が多く見られました。

また、コロナ禍の影響で業績連動賞与が大幅にカットされた時期もあり、会社の業績が賞与に直接影響する構造となっています。

各種手当

三越伊勢丹の各種手当についてですが、かつては住宅手当や扶養手当、カフェテリアプランなど福利厚生が充実していました。

しかし、百貨店業界の衰退とともに手当は次々と廃止され、現在は手当に相当するものはほぼなくなっているとの口コミが多く見られます。

以前は住宅手当や扶養手当、カフェテリアプランなど、福利厚生もそこそこあったが、百貨店の衰退とともにどんどん厳しくなり、手当に相当するものはほぼなくなってしまっている。

引用：Openwork｜年収・給与制度｜営業部門、在籍20年以上、男性

特に住宅手当がないことは、都内近郊に住むことが求められる中で大きな負担となっています。

三越と伊勢丹の統合後は格付けおよび給与制度も改悪されてきており、業界では高収入と言われていた時代と比べると、条件面では厳しくなっているといえるでしょう。

男女の年収差

三越伊勢丹における男女の年収差については、制度上は性別による差別はありません。

同じ職能資格・役職であれば、性別に関係なく同じ給与水準となります。

ただし、昇格試験に合格してマネージャー職に就く割合は、男性の方が高い傾向です。

OpenWorkの口コミを見ると、販売職やアシスタント職には女性が多く、マネージャー職やバイヤー職には男性が多いとされています。

結果として平均年収では男性の方が高くなる傾向がありますが、制度的な差ではなく、昇格試験の合格率や職種選択の違いによるものと考えられます。

女性でもマネージャー職やバイヤー職に就いている方は多く、実力次第でキャリアアップできる環境は整っているといえるでしょう。

三越伊勢丹の働き方｜残業時間・離職率・福利厚生は？

三越伊勢丹での働き方について、残業時間・離職率・福利厚生・キャリアパスの観点から見ていきましょう。

年収だけでなく、働きやすさやキャリアの展望も転職・就職を考えるうえで重要な要素です。

残業時間

三越伊勢丹の月間平均残業時間は10.0時間と、小売業界の中では比較的少ない水準です。

項目	数値
月間残業時間	10.0時間
有給休暇消化率	78.2%

近年は働き方改革の取り組みが進んでおり、残業時間を月10時間以内に収める方針が徹底されています。

OpenWorkによると、基本的に残業はほとんどなく、定時で帰れる環境が整っているとされています。

ただし、繁忙期や店舗によっては残業が発生することもあるため、部署や時期によってばらつきが生じるでしょう。

全体として長時間労働を強いられることは少なく、プライベートの時間も確保しやすい職場環境が整っているといえます。

離職率・平均勤続年数

三越伊勢丹の離職率に関する具体的な数値は公開されていませんが、OpenWorkの口コミから職場の定着状況を推測できます。

平均年齢34歳という比較的若い年齢構成からは、中途採用を積極的に行っており、ある程度の人材流動性もあることが伺えます。

また、口コミでは昇格試験に合格できずに転職を選択する社員や、給与水準の低さから退職を検討する若手社員の声が見られました。

特に販売職やアシスタント職では、給与の低さと昇格の難しさから、モチベーションを長年保つことが難しいという意見が多く見られます。

一方で、マネージャー職以上に昇格できた社員は長く勤続する傾向があり、20年以上勤務しているベテラン社員も多く在籍しています。

福利厚生

三越伊勢丹の福利厚生については、かつては充実していたものの、近年は縮小傾向にあります。

以前は住宅手当や扶養手当、カフェテリアプランなど様々な福利厚生制度がありましたが、業績悪化に伴い多くが廃止されてしまいました。

現在残っている主な福利厚生は、社会保険完備や退職金制度、外部委託の福利厚生サービスなど最低限のものとなっています。

OpenWorkの口コミでは、「福利厚生については外部委託のものがあるがそこまで充実しているわけでもなく、社内の福利厚生についても魅力的なものはほぼ皆無」との声が見られました。

特に住宅手当がないことは、都内近郊に住むことが求められる中で、大きなマイナスポイントとして挙げられています。

業界全体の厳しい経営環境を反映して、福利厚生面では他の大手企業と比べて見劣りする部分が多いといえます。

キャリアパス

三越伊勢丹のキャリアパスは、職能資格制度にもとづいた明確な道筋が示されています。

新卒で入社した場合、ステージC-tからスタートし、5年目頃にステージCに昇格可能です。

その後、最短7年目でステージBへの昇格試験を受けることができ、合格すればマネージャー職やバイヤー職に就けます。

さらにその先には、最短15年目でステージAへの昇格があり、年収1,200万円以上を目指すことが可能です。

ただし、昇格試験の合格率は決して高くなく、特にステージBへの昇格試験は近年10%を切る難関となっています。

また、受験回数にも上限があるため、計画的な準備と努力が必要です。

三越伊勢丹はどんな会社？｜年収が高い理由・今後の展望も解説

三越伊勢丹がどのような事業を展開し、なぜ業界内で高い年収水準を維持できているのかを見ていきましょう。

また、百貨店業界を取り巻く厳しい環境の中で、三越伊勢丹がどのような将来展望を描いているのかについても解説します。

主な事業・サービス内容

株式会社三越伊勢丹は、2008年に三越と伊勢丹が経営統合して誕生した、日本を代表する百貨店企業です。

項目	内容
社名	株式会社三越伊勢丹
本社所在地	東京都新宿区新宿3-14-1
従業員数	1,000人以上
業界	小売（百貨店・専門・CVS・量販店）

主力は百貨店事業で、伊勢丹新宿本店や三越日本橋本店をはじめとする国内外の店舗を運営しています。

伊勢丹新宿本店は世界最大級の売場面積を誇り、特にファッション分野で圧倒的な存在感を持っています。

三越日本橋本店は歴史と伝統を重んじる顧客層に支持され、富裕層向けの高級品販売が強みです。

百貨店事業以外にも、不動産事業や金融・カード事業、法人外商事業など、多角的な事業展開を行っています。

海外展開にも積極的で、中国や東南アジアを中心に店舗を展開しており、インバウンド需要の取り込みや海外富裕層へのアプローチなど、グローバル戦略にも力を入れています。

年収が高い理由

三越伊勢丹の年収が業界内で高い水準を維持できている理由は以下の通りです。

ただし、近年は百貨店業界全体が厳しい環境にあり、年収水準も徐々に低下傾向にあります。

かつては業界内で突出して高い給与水準を誇っていましたが、現在は他社と比べて若干高い程度にとどまっているといえます。

今後の展望

三越伊勢丹の今後の展望については、厳しい環境の中でも変革への取り組みが進んでいます。

百貨店業界全体が構造的な課題を抱える中、デジタル化や新規事業への投資を加速させているでしょう。

特にOMO戦略に力を入れており、オンラインとオフラインの融合により、新しい顧客体験の創出を目指しています。

店舗の役割も見直しが進んでおり、単なる商品販売の場から、体験やサービスを提供する場へと進化させる取り組みが行われています。

海外事業についても、アジア市場を中心に拡大を続けており、インバウンド需要の回復とともに成長が期待されています。

ただし、百貨店という業態そのものが構造的な課題を抱えており、抜本的な事業改革が求められている状況です。

コロナ禍を経て加速した消費者の行動変化に対応し、新しい価値を提供できるかどうかが、今後の成長を左右するといえるでしょう。

まとめ

株式会社三越伊勢丹の平均年収は584万円で、小売（百貨店・専門・CVS・量販店）業界の中では高い水準を維持しています。

ただし、昇格試験に合格してマネージャー職に就くかどうかで年収が大きく変わり、同じ年齢でも最大500万円以上の差が生まれる可能性があります。

給与体系は職能資格制度にもとづいており、ステージC-tからスタートし、最短7年目でステージBへの昇格が可能です。

ステージBに昇格すると年収700万円から、ステージAでは1,200万円以上を目指せるでしょう。

一方で、福利厚生については近年縮小傾向にあり、住宅手当や扶養手当などが廃止されています。

特に住宅手当がないことは、都内近郊に住むことが求められる中で大きな負担となっています。

他の百貨店と比較しても昇格のスピードは速く、入社3年目でアシスタント職に就けますが、昇格試験の合格率は決して高くなく、特にステージBへの昇格試験は近年10%を切る難関です。

また、受験回数にも上限があるため、計画的な準備と努力が必要です。